理佐side

まさか由依と再会するとは思いもしなかった。
6年前。あなたの父親に「お前といたら由依は幸せになれない。しかも医者を目指して勉強に励んでいる。邪魔だ」と。

最初は彼女の父親にも関わらず反抗した。だが何度も願い下げられた。







自分は中学生の頃から地元で色んな奴と喧嘩してきた。

そして、高校に上がった頃たまたま喧嘩で怪我をして公園のベンチにもたれかかっていた。そのところを由依が助けてくれた。
私はそこで一目惚れをした。


そこから度々会うようになって付き合い始め、由依が大学に入ってからはほぼ同棲みたいな状態であった。


本当は別れたくなかったんだよ。でも不良な私と医師を目指すあなたは天と地の差で、夢を叶えて欲しかったから。







6年が経った今、取引先と裏金関係で揉めた。
そこで大怪我をし、気づいた時には手術室にいた。
その時、僅かな光の中で由依がいた。

医者になれたんだ。と思った束の間、麻酔が効いた。






目が覚めた。目の前には由依が。思わず私はニコニコしてしまった。
あの頃から変わらない大好きな匂いがする。


そして慣れた手つきでガーゼを交換してくれた。
エースって呼ばれてるんだって。凄いな。


途中邪魔が入った。取引先の社長の妹。心の中で迷惑女と呼んでいる。
自分と結婚して子供がいると嘘をつきまくっている。

結婚なんかしてるわけない。嫌いだし。
子供が3人いるというのは、施設から引き取ったんだ。でも今は仕事が忙しいから家政婦を雇ってお願いをしている。


私は由依を失ったから。もう誰とも付き合わないって決めたんだ。









その日の夜。秘書から由依が取引先の奴らと迷惑女に連れ去られたと電話があった。
傷が痛むがそんなことは考えてる暇はない。


由依が危ない。




急いで向かった。


  《あなた〜》

理佐「由依!由依!しっかりして!」

  《ねぇ〜そんなのどうでもいいから私達の家に帰りましょ》

理佐「よくも由依に手出したな。許さない」 
    「お前ら、やれ」

  《ちょ、ちょっと!やめて!助けて理佐さん!》

部下に指示を出して由依を連れ去った奴らを捕まえた。


由依に何度も声をかけるがダメだ。医者を連れてきてよかった。ある程度処置をしてもらったが、あることに気づいてしまった。


手を怪我している。


理佐「この手は早く治るんですか」

もしかしたらもうメスは握れなくなるかもしれないと。医者はそう言った。

嘘だろ。あんな一生懸命勉強して叶えた夢なのに。



自分がその手を治してみせる。と心に決めた。
すぐさま有力な医者を探すよう指示した。








そのまま病院に行き手術が終わるのを待った。




でもこんなことに巻き込んだのは自分のせいだ。
付き合ってた頃から喧嘩を嫌っていた由依のことを傷つけない為にも、今回の取引が終わったら代表を降りよう。






数時間後。手術室が開き駆け寄った。



理佐「由依は、由依は!」

  『2ヶ月ほど安静にする必要があります。ですが腕の傷が深く...』

理佐「そうですか。ありがとうございました」


叶えた由依の夢を絶対に途絶えさせない。
自分の責任だから自分で取り返す。


続く