由依side

目が覚めた時、私は病院にいた。

理佐「由依!」

由依「理佐?」

理佐「起きたか!痛くない?医者を呼ぶか?」

由依「なんでここにいるの」

理佐「まだ無理しちゃダメだよ」

右手が包帯で巻かれて固定されている。

由依「よく生きてたわ」

理佐「もう苦しめる奴はいない。安定して」

由依「私を苦しめるのはあなただけだと思ってた」

理佐「ごめん」

由依「なんでまた現れたの?」

理佐は私の髪を触ろうとした。私は左手で理佐の手をはけた。

由依「忘れたの?飽きたって。うんざりだって!他の人が好きだって!」

理佐「落ち着いて」
    「興奮するのはよくない」

由依「興奮?興奮するに決まってる。冷静でいれるはずがない」

理佐「ごめん」

由依「6年前に別れた時、私を殺したのも同然だった」
    「それなのに6年経ってまたあなたに殺されかけた」

理佐「ごめん」

由依「お願いだから謝らないで!」
    「聞きたくない。出てって、出てってよ!出てけって!...」

理佐を叩いた時、右手が凄く痛かった。

由依「私の手、なんでこんなに痛いの」
    「私の手何かがおかしいんでしょ」

理佐「ち、違うよ。何言ってるんだ」
    「ぐっすり寝れば良くなるよ」

由依「私は医者よ。分からないと思う?」

理佐「私が必ず治してみせる」

絶望のあまり、私は涙が止まらなくなった。

由依「全部あなたのせいよ!医者になる為にどれだけ努力してきたと思ってるの」

理佐「暴れるな、傷が開く、落ち着いてって」

由依「死んだ方がマシよ!」

理佐は抱きついてきた。

由依「なんでまた私の前に現れたのよ!」

理佐「大丈夫。きっと治す方法があるはずだから必ず見つける」

私は理佐の首に噛みついた。

理佐「気が済むまで噛め」







由依「痛い?」

理佐「全然」

由依「なんで離さなかったの」

理佐「抱きついてくれるから」

理佐の顔が私に近づいた。それと同時に理佐のスマホの電話が鳴った。だけど理佐は出なかった。

どうかしてる。6年前に私を捨てた人よ。それに結婚してる。

理佐「何か食べたい物ある?果物とか」

由依「いらない。もう来ないで」

理佐「どうしたんだよ」

由依「会うべきじゃない。みんなの為にも分かるでしょ」

理佐「由依頼むから」

由依「休みたいの。もう帰って」

理佐「怒ってるのはわかってる。だけど私も本当に辛かった。だから、また会えた以上絶対に由依を離さない」
    「また来る」








理佐が出てった後、父親が来た。

父「由依、俺が本当に悪かった」
   「でも見捨てないよな?」
   「あいつら本気で殺す気だ」

由依「ギャンブルやめてって言ったでしょ。どうするのよ。20億なんて無理よ」

父「さっきそこで、お前の元カノに会った」
   「なんと櫻グループの代表になってたんだ!立派になってたぞ?」

由依「私とは無関係よ」

父「いや関係なくない」
   「偶然にも借金してるカジノ、櫻グループのカジノなんだ」

由依「え?」

父 「超ラッキーじゃないか?」
  「お前にベタ惚れなんだろ?お前の方から借金の件頼んでくれないか?」

由依「どうかしちゃったの?私たちは別れたの」

父「まあ別れることもあれば、ヨリを戻すこともある。頼んでくれよ」
 「そうだ!昔からよく頼み事をよく聞いてきただろ」

由依「お父さん、酷すぎる。自分のことばっかり」
   「ただの別れじゃない。私を捨てた人なのよ」
         「その人に頼むだなんて!」

父「大袈裟にしすぎだろ。あ、あいつにもじ、事情があったんだろう...」

由依「事情なんかない」
   「この手も理佐のせいだよ。私、医者を続けられない」

父「や、辞めろ!医者なんか辞めりゃいい。ここまで勉強させたのも高い給料のためだった」
 「でももうアイツがいるじゃないか!」
 「大企業の代表なら金持ちだ。そうだろ?」

由依「勉強させたって...自分のことばっかり」

父「違う。借金のためじゃなく、お前たちはお似合いだし運命みたく再会した。うまくやれよ」

由依「もういい。あの人は結婚してる」

父「何!?結婚してる!?」

由依「別れてすぐ結婚したって」
   「3人の子供もいる」

父「由依。バツイチなんて今時珍しくない」
 「大事なのはお前たちの気持ちだ」

由依「それを娘に言う?」

父「いや俺は理佐がいい奴だから、も、もったいないだろ」
 「うちの金が取られるのはもったいない」

由依「バカなこと言わないで!」
    「もう彼女には会わない。本人にもそう伝えた」

父「...この親不孝者!別れたくらいで取り乱して」

由依「取り乱してるのはどっちよ!理佐のせいで医者の道も絶たれた。それなのにお金が大事?」
   「なんで私ばっかり」
   「もうほっといてよ!」

父「そうだ!俺がやったんだ!」
 「あの時、アイツに別れろって言った」

由依「今なんて言った」
    「どういうことなの」

父の携帯が鳴った。

父「はい...本当に申し訳ございません...」

 「え?誰が?もしもし?もしもし?」

由依「お父さん。ちゃんと説明して。別れろって言ったの?」

父「あいつが他の女といるのを父さんが見たんだ。このクソ野郎が今すぐ由依と別れろ!って言ってやったんだ」

由依「はぁ。本当に呆れる」

父「とにかく、お前心配しなくていい。借金が無くなった!」

由依「え?何で?」

父「ほら、俺みたいに真面目に生きてれば報われるんだよ!」
 「だから由依も希望を捨てるな」

父は出てった。







数日後

同期『家に帰ったら何もしないで休みなさい』


由依「分かった」

   「行こう」


理佐「自分が支えます」

掴まれた腕を振り払った。

由依「いこうってば」

理佐「私と行こう」

由依「なんで?」

理佐「手を必ず治すって言った」

由依「いや、そんな必要はない。じゃあね」

理佐「私のとこにきたら全部のカジノを閉める」
    「父親がギャンブルをするのは私も嫌だ」


続く