恋は二度目のアネモネ -37ページ目



きみの部屋で
濃度の高い恋をしてから、
証拠も残さずに、夜にまぎれていく。
足りないくらいがいいの。
今までの経験から、その美学は身についてる。
実践できるかどうかは別として。

橋の上から、
きらめく都会を見下ろして、
不安定に満たされてた。
きみも、わたしも。

幸福より、悦楽を求めてるって信じていたのに、
なぜか幸せなの。
どうしようもなく。

肌が切羽詰まっていくのがわかる。
きみが楽しみにしてくれていて、
不覚にも舞い上がってしまうよ。

寒さから身を守る衣類さえもどかしい。
細胞が、何か訴えてる。
さわぐの。

冷たい頬にキスしながら、
冷たくなっちゃったねなんて言うから、
もうずっとこのままでいいやって思ってしまう。
きみを凍らせて、
アイスキャンディーみたいに食べちゃいたいわ。

がおーー









もっともっと知りたい。
偽者のきみでもいいの。
強い雨が降って、
エレベーターに閉じこめてくれればいいのに。

馬鹿になってしまえるなんて、
とてもラッキーなことだとわたしは思うから、
時間を巻き戻して、あの頃のきみにもう一度あいたい。
胸元がひんやり冷たくて、
ほんとは今日だってどうにかしてほしいのに、
2人とも理性的で、
大人びた顔をしている。

きみのが一枚上手だね。
このわたしより。
にくらしいけど、
台詞のひとつひとつが愛らしくって、
心臓と頬がゆるくなってしまう。
何で笑ってしまったんだろう。
あのとき。
もっとちゃんと、深く味わえばよかった。

タイトルが、
わたしっぽくて驚く。
きみはわたし?
感性が似ている人というのは、
知らなくたって、惹かれてしまうものなのかしら。


肌の表面にある海馬が、
キュルキュル、記憶をリピート再生する。
誘拐して融解して。
でも、ほんとに盗みたいのはわたしなの。

器官と、きみのくちびるのせい。
サイコで不埒な妄想が、
だらしなく分泌されるのは。







可愛い女の子にお菓子をもらうって幸せ。
わたしのために持ってきてくれたんだと思うときゅんとする。
嬉しくて、
思わず倍返しのお菓子を用意してしまった。
可愛い子ってだから得するんだな、と納得。


今日はなんだか
落ちついた気分。
アイラインを黒にしたからだと思う。
そんなことくらいでこんなに気分がかわるなんて不思議だなあ。
体の中も、なんだか静かだ。
もっとざわざわしたいよ。
落ちついてなんかいられない。
退屈が最もおそろしいよ。


つまんない。
可愛いとこ見せてほしい。
じゃなきゃ、もう見ない。










まだまだ余裕ある。
切なくって笑けてくる。
あははあはは
こんな愉快なことってない。
わたしってこんな変な顔してたっけとか思うし、
きみは相変わらずすてきだし、
電波って行き渡ってる?とか真剣に考えて馬鹿みたいだし、
変な外国人には絡まれるし、なんだこの日常は。
前髪ちょっと切ってみたけど、
そんなもんじゃ何ひとつとして変わらない。
変えたくないけど、
変えたいの。
んもー。

でもまだまだ余裕ある。
切なくって笑けるなんて最高だ。
きみだって、笑ってられんのは今のうちだよ。
とか、
言って、みる。 


四角い箱の中で、5秒間のランデブー。
少しでも近づかないと、
あらゆることを忘れてしまいそうだよ。
すでにきみの半分は、
わたしのイメージで創られた虚構だもん。









心の真ん中にひっそり寝転がってる不機嫌な魔物が、
最近むくむく起き上がってくる。
起きなくていいよ!
てか、起こさないで!
あなただよ!
若きウェルテルが見たら、
思いきり顔をしかめるでしょうね。


必ず帰ると思っていたら、
大間違いなんだよ。
ランデブーはいつだって気分次第。
あなただって元々はそうなんだもん。
知らなくていいけど。

人の話を、親身に聞くフリをするのって大事でしょ。
だって思いやりってそういうことじゃないか。
聞かなくてもいいの。
でも聞くフリすらしないって、
嫌われてもいいってことじゃないのかな。
いいのかな?
やだな。
そういうの。

あー
視線がくすぐったい。
美女ならば、
もっとさまざまなやり口で翻弄するのでしょうに!