一 生という限られた
期 間の中でたったの
一 度でもあなたに出
会 えて良かった
一期一会という言葉が好きだ。
「人は出会いと別れを繰り返すから、今一緒にいる時間を、
大切にする」という意味だと、自分の中ではそう思っている。
私は別れが悲しいという概念がよく分からない。
寂しい気持ちはあるけど、立ち直れないことはない気がする。
時間が解決すると思うし、その人がいないことが慣れてくるというか、
普通になる日が来るだろう。
誰だっていつかは別れがあるから、それが早いか遅いかだけだ。
去年の末に、家族以外で今まで一番身近にいた人とのお別れがあった。
その人はリハビリの先生なのだけど、自分の中ではすごく心を開けて、
家族のような感覚でいた(勝手に)。
がん経験者というのもあるからか、なんでも話せたし、
ラインしたり、自分が以前働いていた図書館のカフェにも顔を出してくれたり、
理学療法士と患者という関係なのだけど、
その関係を気にしない、人としての付き合いをしていたと思う。
特別な関係を持ちたいと思ったことは無いけど、
リハビリを卒業しても、なんとなくの関係が続いていくんだろうと思っていた。
「人として、これからも相談を受けたりしたいのが本音だけど、
僕はやっぱり病院の職員です。連絡取り合っているのが僕のわがままというか
無責任な行動なんだけど、それも今回リハビリを終えて検査結果の異常が
無かったことを区切りにするべきだと思います」とはっきりラインで言われた。
なんか、いきなりすぎて泣いてしまった。
自分でも世間一般では良くないと分かっていたけど、
それが急にきて予想外の涙が出た。
相手の顔を見て話してないし、直接声を聞いてないから
どういう気持ちかは分からないけど、「もう終わりなんだ」ということだけよく分かった。
誰にでもすごく優しい人だったから、自分の本心じゃないことでも
相手に合わせていたのかなと回想してみたりしたけど、
今となっては何がどこまでが本当の気持ちなのか分からない。
確かめる術もない。
それにこんなに律儀な別れ方をされたのが初めてだった。
今まで友達でも、自然消滅とかラインブロックされたりして
離れていくことが多かったから、今までにない別れ方だった。
たぶん、ハッキリ告げたほうがいいと思ってのことだけど、
自分の中で衝撃が大きかった。
でも、すがる理由もなくさよならをした。
無くしたり失うわけじゃなく、元の場所に戻るだけだったから。
急に扉を閉ざされてしまうと戸惑うのですが、
名残惜しい気持ちを抱えながらも、
私はまた新しい人と出会っていくんだなと思った出来事だった。
離れていくことを悲観するより、出会えたことにありがとうと感謝しよう。
別れは突然にくるから
出会った人や周りにいる人を大事にしたいし、
思っていても、行動に移せていなかったら意味が無いと思う。