額賀さんの本は「タスキメシ」に続いて2冊目。
今回も箱根駅伝がテーマです。
平成5年4月のボストンマラソンから、平成6年1月の第100回箱根駅伝までのストーリーと、昭和15年1月から昭和23年1月の箱根駅伝までのストーリーが、カットバック風に交互に展開する構成。
史実に基づいたフィクションとのことですが、第二次大戦前後の箱根駅伝の歴史がとてもよく分かりました。
昭和編は全体の2/3くらいのボリューム。
戦争が激しくなる中、選手の徴兵や箱根駅伝中止の非常事態の対応、戦後の駅伝復活のために奔走する学連スタッフたちの苦悩と奮闘を描いたストーリーは、駅伝ファンでなくても引き込まれる内容です。
特に、駅伝が中止になった代替レースとして、神宮プール~青梅間駅伝や靖国神社~箱根神社駅伝を実施するため、関係官庁や軍部と交渉するシーン、戦後箱根駅伝復活のためにGHQを説得するシーンなど、学連スタッフの熱い思いが伝わってきます。
令和編では、日東大のボストンマラソン3位・神原八雲(かんばらやくも)選手の去就に注目。
(1)マラソン専門だったのが箱根駅伝にも出場するのか?
(2)仮に出場しても、この2年間大会に出場さえできなかったチームを、優勝争いできるレベルまでに引き上げられるか?
が最大の見どころです。
とっても面白くて、最期まで一気読み!★4