伊竹銀座商店街の一角で、33歳の有野香澄が営むおでん屋台「かいっちゃん」の日常と、お客の人間模様を描いた物語。
おでん屋をいざ開業してみれば、商店街は廃れていても、住宅街と駅をつなぐ通勤路なので、帰りの人たちが立ち寄ってくれるはず・・・が、実際はそれほどでもなく、隣のコインランドリーで洗濯をしている間の時間をつぶすために訪れる客がほとんど。
それも、次第に減ってきています。
開店から1年半、1日の売り上げ目標3万円が、達成できない月も多そうです。
この状況を打開するため、テイクアウトにも力を入れ、「おうちおでんセット」や「キッズセット」、ハロウインなどのイベント用には特別仕様のおでんも販売するなど、売り上げに貢献しています。
こうした中、ふとした偶然から思わぬチャンスが・・。
はたしてその結果は?
常連客の美術館学芸員のつみれ、お笑い芸人を目指すツインパインズの二人、アスリート入社したものの怪我でスポーツを断念して一般社員になった小園、その上司のキツネ目のチーフ、かつてセイレーンズというアイドルだった3人のアラフィフ女性とそのご主人などの人間ドラマも面白い。
読み応え十分です★3.7
でも何といっても、元カレの六平太と香澄の恋の行方が気になるところ。
香澄「初恋はまだ終わっていない」。
いくら頑張っても自分で望む結果を得られるとは限らない、それでも頑張らないではいられない。