フェルマーの最終定理が証明されるまでの経過を、ドラマチックにできるだけ分かりやすく解説したドキュメンタリ★4
読者を引き込みながらその内容を理解し納得させる著者サイモン・シンさんの文章構築力も見事ですが、訳書にありがちなどこか直訳的で分かりにくい箇所が全然ない、青木薫さんの翻訳も素晴らしいと思いました。
以前サイモン・シンさんの「暗号解読」を読んだことがありましたが、とても分かりやすく読みやすかったので、Amazonのレビューを参考に本書もぜひ読んでみたいと思っていました。
17世紀のフランスの数学者フェルマーが予想した方程式は、1995年にアンドリュー・ワイルズによって証明されました。
その過程で日本人数学者の「谷山・志村予想」が関係していたことを、初めて知りました。
![イメージ 4](https://stat.ameba.jp/user_images/20190608/16/neco-home/21/60/p/o0300016814450981987.png?caw=800)
ここで「予想」とは、「どうやら真実と思われるがハッキリとはまだ分からなくて証明できていないもの」ということらしいです。
だから、フェルマーの最終定理も本来は最終予想とすべきですが、敬意を表して定理としているとのことです。
![イメージ 5](https://stat.ameba.jp/user_images/20190608/16/neco-home/2f/3d/p/o0400014314450981995.png?caw=800)
さて本書ではさまざまな数学問題や手法が紹介されています。
その一つに、「サッカー競技場に選手とレフェリー合わせて23人の人がいる場合、この23人のうち、どれか二人の誕生日が同じになる確率は?」というもの。
直感的には10%くらい?と思いますが、実際には50%を越えるのだそうです。
![イメージ 3](https://stat.ameba.jp/user_images/20190608/16/neco-home/72/9c/p/o0404025914450982005.png?caw=800)
手法については「時計算術」。
たとえば、7+9=4
時計盤で考えると7時から9時間後は16時、つまり4時という考え方です。
本書によれば無限にある解を求めるとき、この手法を使って有限の数で検討し、そのパターンから無限の解を検討する手法だそうです。
目からウロコでした・・。
数学者は、証明という方法によって究極の心理をつかみたいという強い願望があるとのこと。
数学って面白~い![三毛猫](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/461.png)
![三毛猫](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/461.png)
![イメージ 2](https://stat.ameba.jp/user_images/20190608/16/neco-home/31/1d/p/o0750043514450982027.png?caw=800)
【2019.5.5追記】
「谷山・志村予想」の志村五郎氏が、5/3に死去されたそうです。89歳。
ご冥福をお祈りします。