一本の螺子 | Turtlewalk

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亀の歩み。遅てもええやん。自分のペースで歩いたらええやん。

一つの製品を組み立て完成させる作業


ありとあらゆるパーツを揃える


各パーツは様々な人の手によって


仕上げられ集められた


組み立てにも段階があって


何人もの手を経る


最後にそれぞれを螺子(ネジ)で


接合し製品にする



螺子が手元からこぼれ落ち姿をくらます


代わりの螺子は、いくらでもあるものの


例えば紛失した螺子が出荷後に製品内部から見つかれば


異物混入という扱いになる


そうならないためにも徹底的に紛失した螺子を探す


近辺の作業員も集まってきて


製品の隅々やら床に這いつくばって台車の下などを覗く


その間にも諾々と時は流れ焦りが募る


一旦捜索を中止して続きをする


お詫びにと缶コーヒーを配るも


これは仕事。


そんなことする必要はないと諭される


もちろん他の人にも起こり得る出来事


不良品を流すことは会社としてもダメなこと


皆で協力するのは当たり前のことと徹底的している


紆余曲折あって、あれほど見つからなかった


一本の螺子がひょっこり現れる


良かった


各々そう言って持ち場に戻る


この先いろんな場所で製造業の成果を目にする


そこにはこんな小さなドラマが綿々と生まれてきて


やっとのことで世の中にそれらが産声を上げたと知れる


これからはもっと愛しい目で物を見つめることが出来そうだ