公立高校の逆襲 | 教育・受験のミカタ

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愛知県教育委員会が毎年行っている「中学校卒業見込者の進路希望調査」というものがあります。年2回の調査で1回目が9月、2回目が12月に実施されています。

 

このブログでも毎年調査結果を分析していますが、2回目の調査が行われる前に1回目の調査結果を確認しておきます。

 

チューリップ中学卒業見込者数

 

*図表はNEホールディングスで作成。年度の後ろの①は1回目調査を表す。

 

さて、まずは卒業見込者数。

 

全国的に少子化が加速する中、愛知県の中学卒業見込者は2年連続で増加してきましたが、7万人を切って前年度比391名の減となりました。以降は毎年減少していく見込みです。

 

調査によると、卒業見込者のうち、高校・高専等進学希望者は66,578名(前年より417名減)。専修学校・職業能力開発施設等入学希望者1,841名(前年より114名減)、就職希望者は307名(前年より18人増)となっています。

 

次に公立高校と私立高校のどちらへの進学を希望するかという調査結果です。

 

チューリップオレンジまずは公立高校から

 

 

公立高校への進学希望者は49,085人で前年より237名増えています。コロナ禍、学費実質無償化の大波を受け公立進学希望者の割合はずっと下がり続けてきましたが進学希望率は0.7ポイント増となりました。

 

公立入試改革、学校改革、中高一貫構想など公立高校の繰り出す打ち手が効いてきたとしたら、大きな脅威を感じる私立高校もあるのではないでしょうか。

 

 

チューリップ紫続いて私立高校

 

 

私立高校への進学希望者は12,088人で、これは前年より755人減で、この数年上昇傾向だった進学希望率も1ポイント減となりました。

 

 

モグラ私立中学や私立高校の先生方と話をしていても皆さん大きな危機感をもって学校改革に取り組まれていますし、調査結果を見ると私たちにとっても決して他人事ではない数字が並んでいます。

 

サーチちなみに2回目の調査は12月になりますが、その頃には志望校・進学校の決定も視野に、1回目調査では公立を志望していた子たちのうち、毎年かなりの人数が私立高校へ流れます。

 

年度の後ろの①は9月の調査、②は12月の調査を表します。毎年①に比べて②で大きく人数が減る動きが分かります。割合の推移で見たのが下のグラフです。

 

 

例年、私立高校は逆の動きとなります。

 

 

今年も①から②への移動傾向自体は変わらないと思いますが、冒頭ご紹介したように、久々に公立高校志願者数割合が前年よりもアップしました。

 

公立高校の逆襲というのは大袈裟ですが、今年の調査結果が後から振り返ると、公立回帰、復権の第一歩だったねということになるかもしれません。

 

もちろん各私立高校も学校の魅力を高める取り組みを徹底されるでしょうから、そのあたりも含めて注目していきたいと思います。

 

第2回調査結果は公表後にご紹介します。

 

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