入試問題を分析し傾向と対策を考えるシリーズ、今回は東海地方の女子最難関中学『南山中学女子部』です。
試験結果は下記の通り。
以下、教科ごとの分析です。
国語
難易度
説明文と物語文の出題で、「人間関係の複雑さ」や「いじめにより心を閉ざす少女」など、少し想像しづらい状況を思い描いたうえでの本文理解を求める問題が多く、選択肢を確実に選び取ることが必要になる。
傾向
出題傾向は変わらず。論説のテーマは人間としての常識・教養を要求するようなテーマになっていることが多い。相手を思いやる気持ちや未来に向かっての希望など、キリスト教精神に則る出題内容である。物語文は女性が作者のものや入試に出やすい作者のものから出題される傾向にある。選択問題は2つまでは簡単に絞れるが、迷う問題がいくつかある。記述問題は文章構成力が要求される。文末指定や誤字、脱字の厳しいチェックが必要。
対策
説明文では、抽象的でわかりにくいテーマの文章にも取り組み、問題を解くだけではなく、一般的な考えと筆者の考えの違いをしっかり把握する。物語文では、文章中にないことを付け加えて想像する(深読みする)と間違えやすいので、主人公の立場を把握して、どういう思いを抱いて行動しているかを書いてあるキーワードから組み立てる練習をする。常に語句の意味を辞書で確認し、自分に落とし込むことで語彙力をつけていきたい。
算数
難易度
2022年は、算数合格者平均が159.2点と高く2023年は隔年現象で高く130.5点となった。作図問題は昨年より解きやすかった。難問もなく比較的点数のとりやすい問題だった。合格者平均130.5点と不合格者平均98.2点,50分で4問の差がある。
傾向
1は計算問題が5問で昨年と変わらず。2の繁分数の問題は久しぶりに出た。3の循環小数の問題で中学生レベルの問題はここで普段解いていない問題が出てきた。4は地道に当てはめていくと解ける問題だった。5の年齢算の難易度は高くなく、日頃勉強してきた問題ではないか。6は容積の問題は比較的理解しやすいので、丁寧に読んで解くことが望ましい。7の等積変形の問題、8は文章読解ではあるものの、普段から解いている問題の表現を変えたものなので、そこに気づいた方は簡単に解けたと思われる。9、10は比較的簡単な問題、11は立体図形の切断、12は理科で習っている問題だった。
対策
理解できない問題は後から解く事に徹し、比較的簡単な問題から始めること。計算問題の5問は丁寧にノートに書きながら解いていけばよい。作図は垂直二等分線、正三角形の書き方など易しいが、基本的な作図はきちんと練習しておかなければならない。今回は簡単な問題だが、入試当日に見て考えることが大事になり、何が必要か見極める練習をする必要がある。
社会
難易度
大問3題で構成され、地理、歴史、公民の3分野から満遍なく出題された。去年の受験者平均点が点、合格130.5者平均点が156.4点であったが、今年の受験者平均点は120.6点、合格者平均点が143.4点だったことから難しくなったことが考えられる。図表、グラフを読み取った上で、知識を使って解く問題が多い。
傾向
基本的な知識を駆使して解くことを必要とする問題が多い。近年、地形図を読み取る問題や、グラフや表からデータを読み取り、それを元に考えて解く問題が多くなった。また、今年は家庭科の教科書からの出題があった。
対策
常に誤りを含む選択肢のどこが違うかを吟味する。問題文中に解くためのヒントや、明らかな誤りを含むものもあるが、問題文・選択肢の文が長く、最後まで集中して読むことが必要。学校の教科書や、テレビや新聞等のニュースで出てくる語句をチェックしたうえで、記述練習を多く積んでおく。他教科(特に家庭科)の教科書から出題される年もあるため、様々にアンテナを張り巡らせることが重要になる。
理科
難易度
合格者平均点は昨年127.9点から133.0と上がり難易度が若干下がった。化学、生物、天体、物理とまんべんなく出題され、調べるための検索方法など思考力と文章読解力を問われる問題が多かった。教科書レベルはかわらない。
傾向
化学はろうそくの燃焼をインターネットでの検索方法など生活の中から知識を問う問題、生物分野は種子から人体の消化、構造など教科書レベル。月の呼称など昔の人が使っていた言葉からの出題、物理は磁石の基本的な性質と実験からわかったことの読み取る問題がでた。
対策
知識は基本的なことを理解しており、小学校の教科書はくまなく読み直しておく必要がある。基本知識を確実なものにするため、小学校の理科の授業やその準拠ドリルをこまめに使ったり、1年を通じて季節ごとに起きる現象やそのとき↑に話題になったことをまとめたりするのも良い。日常の生活の中で、ご家庭で季節ごとの行事等も含めた日常の生活を教えていく必要がある。
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