愛知県は、長く「公立王国」と言われ続け、これまで、中学生が高校選びを考え始める最初の段階では、「公立高校」への進学を希望する生徒が大多数でした。
しかし、授業料無償化の影響もあって、私立高校への進学を検討する生徒・保護者がじわりじわりと増えているというデータもあります。また、私立大学の附属高校では、系列大学への推薦制度があり、一般受験生より優先的に進学できる点などは私学の魅力の一つです。
このような動きの中で、「公立だから」という理由だけではもはや受験生・保護者から選択されず、入学者が減り、存続が危うくなる公立高校がでてくる可能性があります。
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そうした背景もあって、愛知県では2023年度から公立高校の入試改革が予定されています。詳しくはコチラのブログ記事をご参照ください。
さて、附属の私立高校へ進学する際には、その系列大学の中身を見極め、また進学するための基準や進学できる割合などを見ておくことは重要です。また、留学・海外研修などで人気を博してきた大学・学部などは、今後の指導方針などを、しっかりと把握する必要があります。
以下、前年度のおもな附属高校から系列大学への内部推薦進学状況です。
*データはエヌイーホールディングス発行進学情報誌より抜粋
*高校名後ろの()は卒業生数
*大学合格者数後ろの()は卒業生数に占める内部推薦者の割合
愛知(547名)
☞愛知学院大学96名(17.6%)
(歯学部7名・薬学部19名)
愛工大名電(450名)
☞愛知工業大学227名(50.4%)
桜花学園(384名)
☞桜花学園大学33名(8.6%)
☞名古屋短期大学51名(13.3%)
椙山女学園(391名)
☞椙山女学園大学258名(66.0%)
星城(431名)
☞星城大学30名(7.0%)
聖霊(228名)
☞南山大学45名(19.7%)
中京大附属中京(433名)
☞中京大学261名(60.3%)
中部大学春日丘(490名)
☞中部大学170名(34.7%)
中部大学第一(403名)
☞中部大学144名(35.7%)
東海学園(357名)
☞東海学園大学101名(28.3%)
東邦高校(537名)
☞愛知東邦大学7名(0.01%)
名経大市邨(396名)
☞名古屋経済大学67名(16.9%)
名経大高蔵(391名)
☞名古屋経済大学39名(10.0%)
名古屋女子大学(168名)
☞名古屋女子大学37名(22.0%)
☞名古屋女子大学短大14名(8.3%)
名城大附属(476名)
☞名城大学224名(47.1%)
(薬学部9名)
大同大大同(457名)
☞大同大学54名(11.8%)
附属高校へ進学することで系列大学への進学のチャンスは確かに広がりますが、他に目標ができて他大学へ進学をしようとしたときに、学力的にチャレンジできないということでは、逆に将来への選択肢を狭めることにもなりかねません。
例えば、高校入学時には国公立大学へ進学できる学力の下地があっても、内部推薦の割合が大きい高校へ進学した場合は注意が必要です。クラスや学校の雰囲気、受験に対する意識が、他進学校とは大きく異なることがあるからです。もちろん、どのような環境下でも自分を律し、内部推薦には目もくれず一般受験で志望大学へ進学することは可能ですが、環境の力はプラスにもマイナスにも作用するものです。
コロナ禍で我々は国や自治体、学校に責任を委ねることの限界を知りました。学校の休校や外出自粛といった過去に経験のないことも経験し、自分で自分を守るということを考えさせられました。
子供たちが、この先の長い人生を生きていく中で、これからも社会全体で子供たちをサポートしていく流れは進むのでしょうが限界があるのも事実。最終的に、自分自身を守るのは「学力」を礎にした「生きる力」に他なりません。学力だけでなく、何かに秀でた分野があればそれが自分を育て守ってくれるかもしれませんが、どんな場合でも、「学力」が何かの邪魔になるということはないはずです。
もとよりそうあるべきなのでしょうが、自分自身と真剣に向き合い、十分に検討し、納得して答えを出すということが志望校選びの段階から、はっきりと突き付けられています。悔いのない選択とその先の努力の積み上げで、桜咲く春を迎えましょう。
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お読みいただき有難うございました。
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