前々回に書いたように、中3の時の50m走の計時が確か9秒8とか、もうほぼ10秒だった。
小学校高学年の頃には、もう自分は足が遅く走りは苦手、という自覚があった。その頃は肥満児全盛期だったのだが、中学からはスポーツというものに触れ、3年時にはよく締まったいい体格になっていた。
それでも、足は速くならなかったのだ。
体力は十分に、平均以上にあったと思う。
そんな私は東京都心近くに生まれ育って、学校でもそれ程長距離を走らされることが無かったので、その点については時々今でも感謝に思うことがある。
その中学3年の間、自分はバレーボールに楽しみを見出し、無心にやっていた。
我が母校は私が入学したときが創立6年目の若い区立中学校で、バレー・バスケ・テニス・卓球・体操ぐらいしか無かったのだが、バスケ部は早々に実績を挙げ、体育教師が直々に顧問を務める精鋭集団であると入学時に説明された。
それを聞いた途端、私はまずバスケ部への入部は頭から消去した。
そんなバスケ部にまったく活発な要素のない自分が行く訳にはいかないと、即断したのだ。
結局、昼休みの校庭で初めて触れたバレーボールが手に馴染み、そのまま部活に参加した。
ちなみにバスケットボールは体育の授業で初めて触れ、サッカーボールなどは中学時代見たこともなかった。(笑)
まあ、とにかく前々回に書いたように中学のバレー部では自分なりに夢中に取り組めたことは間違いのない事実だが、実績は何一つ思い出せないし、同学年の部員も誰一人思い出せない。
本当に試合ができる人数がいたかさえ怪しい。
そして、皮肉なことに、高校でも入学時にバスケット部は昨年都でベスト8の結果を出したみたいな話を聞いた。中学校の入学時とまったく同じだ。この時も同様で、自分は走るのが苦手だからコート内を走り回るバスケットボールじゃお荷物になるのが関の山だ、と考えた。
ほぼ自動的にバレー部をチョイスした。
そして同期の部員は私の他1名。つまり私を含めて計2名!
なぜか1年上は5人もいたが、当時流行の学生運動に傾倒している人が複数いて、一方で主将は澄んだ瞳の静かなる熱血青春好男子だったり。
また合宿でもの凄く臭いオナラを超笑顔でかました能天気な先輩や、とにかくバラバラな個性の寄せ集めが、本当にコート外じゃ見事過ぎるほどバラバラでクラブ活動としてどうなのかとふと疑問に思うことが度々あった。
そのくせ時々現れる3年やOBは、ボールの感触を体に染み込ませる為にバレーボールを抱いたまま寝た先輩の話をしては喝を入れていたが、試合はほとんどなく当然それを想定した練習やミーティングもなく、高校のバレーボールは入部したものの楽しくなかった。
結局、私は3年になって間もないある日、バレーコートで全校生徒の注目を集めるほど躍動したのだが、その時はバレー部員ではなかった。
2年に上がる時にやめていた。
私は3年になっても、同学年の多くが寸暇を惜しんで受験勉強に没頭している中、相変わらず昼休みにバレー・バスケに汗を流し、放課後も同期のバスケ部員に近づき練習に参加したりしていた。
背景には、勉強を犠牲にしてでも家に帰るのを遅らせたいという悲しい事情もあったのだが、表面的にはいつまでも青春を続けている高3だった。
ただバスケは正式に部員だったことは一度も無いが、中学で初めてボールに触れた時からドリブルは普通に走っているスピードとほぼ変わらずに、ほぼ自由に動けた。高校ではいろいろなフェイントやシュートの空中プレイの中に複数の対応や姿勢変化を盛り込めるようになっていた。
今考えると、バスケをしている間は常に楽しかった。
一方で、バレー部がつまらなかった理由が最近になってふいに分かった。
まず私は170cm足らずの身長だったからセッター要員だった。
確かに練習はトスやレシーブ練習が多かったが、スパイク練習ももちろんやる。
でも、これがまともに出来た記憶がない。
私の背が小さくて届かなかった訳ではない。
トサーの先輩がまともにトスを上げられないのだ。
毎回スパイクの体勢をとることすらできず、しかも部員10人程が並んで順番に一人ずつトスを上げてもらうので、3・4回しか巡ってこない。
でも、100%トスミスでまったく打てないことの方が多かった。
一方で私はもっと正確に上げていたと思うが、主将から「お前のはフワッと上がらないで、球質が直線的だから合わせにくい」などと言われ、いよいよつまらなくなってしまった。
軌道の正確さより、球質か?!
今更だが、ウチの高校のバレー部はかなり下手くそだったってことだ。
その内、部活が更につまらなく感じる状況が生まれた。
我がクラス内に文化部だったが妙にバレーが上手いヤツが見つかったのだ。昼休みの輪の中に自然と入ってきてからだったが、そいつと組んでると、息が合ってほぼ全プレーアタック成功でフィニッシュできるようになり、余程そっちの方が面白くなった。
それも概ね、AかBのクイックでヤツは走り込んで来るので、トスを打点に向かって送り出していた感じで、これは随分上達できたし、楽しかった。
前述の3年次、全校生徒注視の中躍動したのは校内のクラス別バレー大会だった。すぐに2年生のバレー部員から再入部を数度にわたって勧められた。でもヘタになる練習がいやでその気にならなかった。
でも今思えば、3年だったし入ってみた方が面白かったかなと思える。
そして現在、実はバスケットボール(観戦)にはまっている。
一方、その為か今更「バレーボールなんかやるんじゃなかった」という気持ちが確信的に強くなった。
本当に今更だ。(笑)
バレーボールはどうしても誰かからボールを受けて、またそれを相手なり他の誰かにパスすることになる。
その時にどんなボールが来るかは、誰か次第なのである。
自分なりに、相手の誰が弱点でそこにどんなプレイで仕掛けてやるかなどと考えても、結局誰かからのボールがとんでもない方向に飛んでいったら、ただ追いかけてなんとか繋ぐだけの対応になる。
気を取り直して、次の展開で新たに戦術を考えてもまた荒れ球対応が続くともうバレーボールをやっている気がしない。
バレーと一切縁の無い仲間と出かけて、たまたまあったバレーボールでヒマ潰しにじゃれる時とおんなじ!荒れ球処理オンリー!
バスケットはいいねー。
ボールさえ持てば、一人でいきなりシュートでもヨシ!絶妙パスで輝いてもヨシ!
周りが下手くそでも関係ない。