第11話 事故 前編
二人が帰ったダイナーは、いつもの姿に戻った。
マツダは、ヘルメットとサングラスを外し、ライダースを脱ぎ捨て、ネルシャツとTシャツも脱ぎ、傷だらけの上半身を裸に解放してリラックスしている。
俺はマスターに、聞きたかった事を、ぶつけてみた。
「ゴキブリと、よく絡んでるんですよ」
「ん、ゴリラのとこか?」
「そうです。」
「勢力拡大とか、言ってるから、邪魔なんだろうな。お前らが。」
「変な髪型の双子がいるだろう。あいつらとゴリラは指名手配中だ」
「ラーメンマン兄弟ですかね?」
「そのラーメンかは知らないが、変わった髪型のハゲで一本だけ長い束の奴らだ」
「それ、ラーメンマン兄弟ですね。何があったんですか?」
「強盗傷害殺人だ」
「殺人か…俺もマツダもチェーンで、殴られましたよ。」
「おぃ、気をつけろよ」
「ありがとうございます。」
マスターと娘さんに挨拶すると、ナプキンにカウボーイを描いているマツダも残して、俺は学校に向かった。
心理学の授業中、教授が嘘の見破り方を教えてくれた。
何かの役にたちそうだ。
「おー!タク、昨日は大変だったな」
「昨日も今日も大変だよ。ところで、ミズマは、学校来てますかね?」
「朝、見に行ったら、休むって言ってたな。」
「おいーす」とゴッチ君が丸井の女を連れて現れると、俺は全員を集めて話したい事があると伝えた。
「全員か?」
「俺達やパーティーに関わる全員だ。タケやミズカミも、静大も常葉も県大も、パンクも全員、21時に市役所近くのデニーズで集まらせてくれ。
デニーズのサエちゃんには、カイチョウから連絡頼む。」
あいつらは、ケツに火がついてる。
こっちも、のんきじゃいられない。
