Lady Strawberry アパレル君 -71ページ目

第10話 寝技 後編

ペタしてね


「ちょっと待ってくれないか」

娘さんが、カウンター奥から、アコースティックギターを持ってきた。俺が持ち込んだモーリス。

気に入った場所には、ギターを勝手に持ち込んでいる。

しかし、間が悪い。

「歌うたいのバラッドを唄ってよ」と娘さん。

エロマドンナが、二回目の口を開く。

「あたしが、話してんだけど」

「ごめんなさ~い」
マツダが、オカマ風に間へ入ると、入り口から、ジュンとリョウトが入ってくる。

リョウトは、唇と舌に開けたピアスを触りながら、ニコニコと話しかけてきた。

「俺、けん玉とか買ってきたんすよ。」

後ろでは、ライダースにリーゼントのウチヤマが、器用にヌンチャクを振り回し、サトウやジュンがパチパチと拍手している。

「遠くから、来てもらって悪いんだけど、あまり話せないみたいだ。あんたもけん玉やるかい?」

「…今日は帰ります。」

「今度は、来る前に、ダイナーに連絡入れてくれないかな。話せるようにしておくよ。」

「タクヤさん」エロマドンナが、胸元からライターを取り出す。

「今度来てよ、サービスするから」

エロマドンナの色気にあてられたら、たまらない奴は多いだろう。

サングラスの奥で、マツダは、どこを見ているんだろう。

「マツダ、顔から血がでているぞ」

マツダは、ジェットヘルメットと、西部警察の大門みたいなサングラスをかけたまま、黙ってトイレに向かった。

「それじゃあ、また来ます。」

「覚えておくから」

二人は、香水の匂いを漂わせながら、ダイナーを出て行った。

出口を出る時に、二人で俺にウインクをしたのは、気のせいだろうか。

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