第12話 意識不明 前編
日本平の病院に駆けつけると、デニーズにいなかったダイイチロウがいた。
「うん、あいつの千葉にいる両親には、電話した。」
ダイイチロウは、真っ二つに割れたヘルメットを膝に乗せていた。
奴のライダースとジーンズは、乾いた血がびっしりとこびりついている。
サングラスをかけているのに泣いた様子が見てとれる。
「…ウチヤマと、けん玉やってたら、遅くなっちゃってさ。」
「ああ」
「…それで、どっちが先にデニーズ着くかって、バトルしたんだ。」
「その時に、事故を起こしたんだね」
「それで何も無い所で壁に突っ込んだんだ。」
またか。
「あいつの単車は、フロントフォークから折れててさ、タク」
深夜の病院に、俺達の抑えた泣き声が、壁と天井に染みる。

