第12話 意識不明 後編
「ウチの息子は、まだ意識が戻らない」
翌日、ウチヤマの家族と話が出来た。
現状は、意識不明のままだが、起きたとしても頭部へのダメージで、後遺症が懸念されるとの事だった。
「…だからバイクには、乗せたくなかった。」
二つに割れたヘルメットと単車。
俺は家族に深くお辞儀をして、ジュンやリョウトを残し、病院を出た。
「ジュン、意識が回復したら、連絡をください。」
近くに運んだSRを見に行くと、事故の衝撃と凄絶さを単車が訴える。折れたフロントは、元に戻らない。へこんだフレームは、真っ直ぐ走れなくなる。アルミタンクとマフラーは、事故話とセットで、次のSR乗りに…渡すかな。
残されたSRから、見覚えのある細工を見つけ出した。
「マツダ、これ見てくれないか。」
ハンドルの右から伸びる前輪ブレーキは切れていた。
切れ目に黒いビニールテープがついていた。
「パールのやり方じゃん。」
切られたワイヤーのつなぎ目がビニールテープで隠される。
笑いながらブレーキを切る金髪中学生パールの姿が、ハッキリと脳裏に浮かんだ。

