皆さんは、新海誠監督の大ヒット作「君の名は。」をご存じですか?
当然、知っています、という人がほとんどだと思います。
これまで、私はここで、「エヴァンゲリオン」や「オネアミスの翼」のヒットには、何か秘密がある、という趣旨のことを、ここではだいぶ書いてきました。
結局、ヒットする映画も収入の良い事業も、よく見るとそこにはそのような秘密があるのかもしれません。
あの「エヴァ」を作った人たちの中には、それら時間や空間、人の思いが引力のような特殊な力を持っていることを、構造として理解しているのでは、と考えてきました、、、、要するに、この世界の仕組み、理を理解しているのでは、そして、それは自分たちに都合の良い時間軸に改変しているのではないか、という結論でした。
それが極端に、そして隠すでもなく表現しているのがエヴァンゲリオンだと考えていたのです。
さて、同じくヒットしたアニメ映画「君の名は。」
では、これにも何かこの世の理に触れる部分があるか、と言われれば、私はあまり気にしていませんでした。
確かに新海監督は、以前からオカルトが好きなイメージがあります。
私は、初期作品である「星のこえ」の頃からのファンですので、新海監督が全て一人で何もかも作って、苦悩して、作風を変化させてあのヒット作「君の名は。」を作ってきた経緯も良く知っています。
しかし、この監督のそれまでの作品は少し賛否が分かれるところもあって、万人受けする作品とは言い難いようでした。
例えば、私が大好きな「秒速5センチメートル」を妻に見せたところ、「何が面白いのか解らないし、ちょっと気持ち悪い」という意外な反応でした。
これは、男性目線と女性目線で、かなり捉え方が違うんだとつくづく感じたエピソードでもあります。
そうなんです、女性の中には、新海監督の感性が重かったり気持ち悪かったりと、感じるようなのです。
私個人としては、「秒速5センチ」は、とてもピュアで、思春期しているなあと感じる内容なんですが、君の名は以前の新海監督の一般的評価でもあるようです。
そこで「君の名は。」なのです。
この作品、それまでの作品と異なり、ちゃんとハッピーエンドになっている珍しい作品なのです。
それまでの作品は、どうしても主人公が苦悩し、それに救いがない寂しい、感慨深いラストが多い作風でした。
ところがこの君の名は、一般ウケをしっかり狙って、それまでの癖を廃し、キャラクターも変え、ストーリーもとても凝ったものにしています。
なので、世界的ヒットとなったことには、当時何ら疑問を持たなかったのです。
ところがです
去る10月28日、日本テレビで放映された金曜ロードショー枠の放送で、ある変化が起きました。
それは、これまで全く噴出しなかった「気持ち悪い」という趣旨の書き込みが、ネット上に溢れたのです。
私は、あれ、これって、魔法が解けた?と感じました。
そうなんです、「君の名は。」にも、何か魔法がかかっていた可能性が出てきたのです。