夜明け前。 -497ページ目

0114






物凄く天気が良い。

こんな日にはあの曲を思い出す、そう、あの頃の思い出の曲。

僕には沢山の思い出の曲がある。

それと同じように、思い出の味もある。思い出の香りもある。

勿論、思い出の場所だって、あるんだ。

昨日、ある人が言ってたっけ。

「女が変わる度に煙草を変える。」

気分を変える為や、想い出を断ち切る為、前に進む為に。

僕は、今の今まで煙草を変えないから

色々なものを断ち切れないのかもしれないな。





0113









「ハロー。」

一言目に受話器越しに聞こえた声。

思わず言葉を失ってしまいそうになったけれど

「おかけになった電話番号は現在使われておりません。」

無機質でぶっきら棒に答えた。

「間違い電話をかけてしまったようです。ごめんなさい。」

その言葉だけを言って電話は切れてしまった。



いつでも、電話しておいで。

本当は、そう思ってるんだよ。












0112





ミルクと、砂糖を入れて

珈琲を飲むときは、決まって君の事を思い出す。

「体だけは、気をつけて。」

そう言った君は、傍にいないんだ。