夜明け前。 -469ページ目

0197







どうやら、僕は底の見えない泥沼に足を浸けてしまったようだ。

心地よい温度と、包まれる陶酔感に酔いしれながら、溺れるのを待っている。

もう、このまま溺れてしまえばいい。










0196









ほんの少しだけアルコールが入って重い体で電車に乗った。

君の事ばかり気になりながら、携帯ばかり気にしながら。

色々な事が僕に重くのしかかり少しだけ、疲れていたから

僕からは、君へコンタクトを取らなかったんだ。


それでも、君の事ばかり気になって、携帯ばかり気になった。

もしも、君からコンタクトがきたらどうしようか。

電話に出るべきか、気づかないふりをしてやり過ごそうか。

メールが苦手な君だから、いつも僕にコンタクトをするのは電話。

一駅、二駅、どんどん電車は夜の街を通過していく。

くたくたに疲れたサラリーマンや、バイト帰りの若い女の子や遊びつかれた人を乗せ。

考えれば考えるほど、どんどん疲れてしまうから、僕は考えるのをやめてしまった。

そしてまた一駅、二駅。

もしも君からコンタクトがきたら、その時の僕が対応する。今やきもきしてても仕方ないや。

それでもまた、君の事ばかり気になって、自分からコンタクトを取ろうか悩んでいた。

僕がやきもきしてる間に電車は、目的地に到着した。


さ、帰ろう。


期待してた自分に苦笑いをし、携帯をカバンにしまったその瞬間

カバンにしまうのを待ち構えていたように、僕の携帯は鳴り出した。


「やあ」

「今、どこ?」

「あぁ、今もう最寄り駅についた所だよ。」

「そうなんだ・・・、じゃー、ゆっくり寝てね」

「うん・・・、そうするよ。またね。」

「本当に?」




「そこで、待ってて。」












0195










ほんの小さな腫瘍のお陰で気持ちの良いキスが出来なかった。

いや、違う。

気持ち良いキスをしたら腫瘍が小さくなると信じてた。