01037
いつだっか、君に贈られたマフラーがあったっけ、なんて思いながら、まだまだマフラーをするには
早いんじゃないか。と、想ってみたりした、朝だった。
真っ青な空のせいで、僕の眼はちかちかする。物凄く眩しくて、なんだか下を向いて歩いたんだ。
まるで、落し物を探しながら歩く子供のようにね。あまりにも、眩しすぎる青とは対照的に、風が冷たい。
缶コーヒーを、手を温める為だけに、買い、手の中で、缶を転がす。
電車の隣に座った女の人に、降りがけに、手渡したら、驚いた顔をしていたけれど、
僕はそのまま笑顔で降りたんだ。
僕の温もりと、缶コーヒーの温もりを、見ず知らずの人から受け取った彼女は、
今、どう想っているんだろう。
もう、捨てられてしまっただろうか、あの缶コーヒー、ゴミ箱の中だろうか、缶コーヒー。
僕の温もりと、僕の憂鬱も一緒に、ゴミ箱の中に捨ててくれたんだろうか。それとも、飲み干してくれた?
ねぇ、お姉さん、あの缶コーヒー、どうしましたか。


