夜明け前。 -242ページ目

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君の、声が聴きたい。

ただ、それだけ。

ただ、それだけなのに、出来ない。












電話をすれば、聴けるんだ、声なんて。だけど、電話を、しない。出来ないんじゃなく、しないんだ。どうして、しないのかって。そんなの理由は沢山あるんだ。沢山、ある。だけど、何度もケイタイデンワをぼんやりと眺めて、だけど、何度もケイタイデンワを握ってしまっている。声を、聴きたいだけ。声を、聴きたい。それだけなんだ。それ以上は、求めちゃいけない。それ以上は、求められない。








何やってんだ、俺。









01189












探してるモノ、見つかりました。

それは、きっと、凄く凄く大切なモノだった。

それは、きっと凄く、凄く忘れちゃいけないモノだった。

そして、やっと見つけたけれど、僕は、どうしたら良いかわからなくなってしまったんだ。

あまりにも、大切なモノだったし、あまりにも、暖かかったから。

だけど、僕は、今日も過ごしてる。大切なモノを、見つける前と、変わらずに、過ごしてる。

これで、良いんだって、想う。これで、良かったんだって、そう、想うんだ。












01186














声が、擦れているんだ、東京に戻った昨日から。

僕の探してたものは、声と引き換えに、僕のトコロに戻ってきた。

まるで、僕は人魚姫みたいじゃないか。声と、引き換えに、人間になった人魚姫。じゃ、僕は声と引き換えに、何になったんだろう。声と、引き換えに、恋を、してきたのかもしれないな。久しぶりに。



君の事ばかり、考えてしまうんだよ。

君は僕の事、どう想っているんだろうだとか、君は今何をしているんだろう。だとか、本当に、ずっと

そんな事ばかり考えてしまっているんだ。これって、恋って呼ぶんじゃないのかな。きっと、これって恋って呼ぶと、想うんだ。声と、引き換えに、恋に堕ちてしまったのかもしれない。深くて、冷たい北の国の海の底に眠っていた僕の恋心を、拾ってきました。宝箱に、入ってた、恋心を。