今年の「海外アピール」からは、NATO反対が消えた。(「解放」最新号=第2827号2024年7月15日付)

 「革マル派」中央官僚は、「全世界人民の団結で核戦争勃発を阻止しよう」と言うのだが、この「核戦争」の一方の側の西側諸国にかんして、それが悪いものとして彼らがふれたのは、次の展開だけなのである。

 「いま世界は、東西の二つに大きく引き裂かれている。没落帝国主義アメリカは、日本を事実上の「属国」として従えつつ、中国とロシアの対米挑戦にうちかつためのアジア版NATOの構築に狂奔している。」

 たったこれだけ!

 NATOそのもの、NATO諸国の権力者の動きへの弾劾・反対・非難はおろか、批判さえもがまったくない。

 日本国家の自立が大切だ、という日本民族としての自己の心情を吐露し、日本ナショナリズムをあおるために、日本がアメリカの「属国」だ、と言っているのみなのである。

 あとは、「プーチンのロシアは、……」、「北朝鮮の金正恩は、……」、「ネオスターリン主義・中国は、……」というように、これらの東側陣営の諸国家とその権力者が悪い、ということをならべたてているだけなのである。

 NATO諸国にかんしては、「親ロシア」の「極右勢力が跳梁跋扈している」として、ウクライナ・ゼレンスキー政権への軍事支援がとどこおることを心配しているのである。

 次の言葉を見よ。

 「無念にも、インフレの昂進や難民の急増などの社会的経済的諸矛盾の深刻化のなかで、労働者人民の一定の部分が、この極右勢力を支持してしまった。」

 「無念にも……」。

 中央官僚は、ほんとうに無念なのだ。無念で無念でたまらないのだ。

 この一文に、彼ら中央官僚の心情がむき出しになっている。彼らは何に無念の念を抱いたのか。何を残念がっているのか。

 彼らは、インフレの昂進や難民の急増などによって労働者階級・勤労大衆が生活苦に突き落とされたことに心を痛めているのではない。急増した難民が生死の境をさまようまでに抑圧されていることに怒りを感じているのでは決してない。彼ら中央官僚は、極右勢力への支持がひろがってゼレンスキー政権への軍事支援が減ってしまうことを、ただただ心配しているのである。

 彼ら中央官僚は、「自国第一主義反対」と声高に叫ぶ。

 彼らは、西側の個々の国家を超えた、西側帝国主義勢力総体の利害を代弁する立場にたっているのである。それは、自国第一主義に反対し、西側諸国を一つの民族と捉え・これを守るという超民族主義の立場というべきか。それは、西側諸国全体を、日本民族の拡大版、すなわち、大東亜共栄圏ならぬ大西側共栄圏と感覚する、汎日本民族主義というべきか。

 彼ら中央官僚のイデオロギーは、いまや、西側帝国主義ブルジョアジー・インターナショナリズムというべきものなのである。

 このような西側帝国主義勢力の徹底した擁護者に転落した中央官僚をあらゆる場面から一掃しよう!

 

 

 

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