われわれは、同志たちの新たな実践や意見を、それを聞いて理解しようとしたときに、自分がすでにもっている枠組みにはめこんで理解しがちである。理解しよう、理解しよう、とすればするほど、そうなる。自分は理解してしかるべきだ、自分は理解できる、というように、暗黙のうちに思いこんでいるからである。

 だが、報告されたのは、その同志が創意的にとりくんだ新たな実践なのである。提起されたのは、その同志がわれわれの実践上の限界を突破するために創意的に考察した新たな問題提起や理論展開なのである。したがって、それを聞いた自分にとっては、それは自分を超えるものなのである。そのままの自分では、それをつかみとることはできないのである。それをつかみとりわがものとするためには、それを聞いた瞬間に、われわれは、その同志を鏡として自己を否定し、それをつかみとる能力を自己に創造しなければならないのである。瞬間的にこれをなしえなかったときには、われわれは、相手の同志や他の同志たちに質問し、仲間たちの意見を鏡として自己省察し、提起されたものをつかみとる能力を獲得するために自己訓練をつみかさねなければならないのである。

 同志たちの実践の報告や意見の提起に、このように自己否定的に対決するのはなかなか難しい。われわれは、ふつう、自分がすでにもっている枠組みをそのようなものとして自覚しないで、使い慣れた計量カップのように、何でもそれを基準にして測っているからである。

 聞いた実践や意見を、これは自分を超えるものだ、とは気がつかないのである。聞いた実践や意見を、自分が理解できるものにつくりかえてつかみとるのである。自分がすでにもっている枠組みにはめこんでしまうのである。これでは自分が成長することはないのである。

 自分が自分の枠組みにはめこんでいやしないか、ということを気づくためには、同志が遂行した実践そのものや、同志がそれの克服のために思索したわれわれの実践そのものに、食らいつくことが必要である。同志から報告されたり提起されたりしたことを、自分が知っている理論的諸規定と対照して見たばあいには、これは、相手の同志を自分の枠組みにはめこんでいるのであり、はめこんで切り縮めているのである。同志の実践や提起を、自分が経験したもの(自分の実践や自分が見聞きしたもの)と近いものとしてイメージするのも、またそうである。自分がこのように頭をまわしていやしないか、とふりかえることが必要である。

 何よりも、われわれは、自分を超えるものをつかみとる能力を自分自身に創造するのだ、と意志することが肝要である。

 

 

 

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