これまでの考察にもとづいて、われわれは、われわれの実践の指針および諸活動の解明にかんして、「大衆運動」「大衆闘争」という概念をもちいるべきではなく、「プロレタリア階級闘争」「階級闘争」という概念をつかうべきである、と言いうる。したがってまた、「われわれは大衆闘争を左翼的あるいは革命的に推進する」というように問題をたてるべきではなく、「われわれはプロレタリア階級闘争を創造し推進する」というようにアプローチすべきである、と言える。

 このばあいに、「労働運動」とか「学生運動」とかという概念をもちいるのはかまわないであろう。この概念は、運動の主体が「労働組合」ないし「労働者」であること、またそれが「学生」であることをあらわす概念であるからである。

 この概念をつかって論じるばあいに、「……を左翼的あるいは革命的に推進する」とすべきではない。われわれにとっては、労働運動や学生運動それ自体を左翼的あるいは革命的に推進することが問題なのではなく、これらの運動を、その担い手をプロレタリア的主体として創造するかたちにおいて組織し推進することが問題なのだからである。したがって、われわれは労働運動を、その担い手をプロレタリア的主体として創造するかたちにおいて、組織し推進する、というように、われわれは論じるべきである。同様に、われわれは、職場での闘いを、地域での闘いを、そして学生運動を、その担い手をプロレタリア的主体として創造するかたちにおいて、組織し推進する、というように、われわれは論じる必要がある、と言える。

 では、われわれがいま労働組合や職場において創造し強化してきているところの、左翼フラクションとよんでいる組織については、これを、われわれはどのように明らかにすべきなのであろうか。左翼フラクションとよんでいるものは、プロレタリア階級闘争を創造し推進するための組織であり、それ自体、前衛党組織=党細胞の端緒的形態をなす、と言いうる。われわれは、この組織において、実践上の問題をめぐって論議しつつ、その成員たちを、プロレタリア的主体として変革し、プロレタリア革命の実現のために奮闘することを決意しマルクス主義を主体化した共産主義者へと鍛えあげていくための思想闘争を展開するのである。

 われわれは、同時に組合員である党員として活動すること、すなわちフラクション活動を展開することによって、左翼フラクションを創造し強化するのである。

 われわれは、わが党員として活動すること、すなわち独自活動を展開することをとおして、左翼フラクションのメンバーたちを党員にたかめ、党細胞そのものを創造するのである。もちろん、そのためには、われわれは、このメンバーたちを、自己反省することができ、労働者たちや同志たちを変革する思想闘争をなしうる能力をもった主体へと独自的に鍛えあげなければならない。このようにわれわれが彼らを鍛えあげていくための活動は、われわれが党員として遂行する活動、すなわち独自活動なのである。

 以上のようなことがらの解明は、『日本の反スターリン主義運動 2』で展開されている「組織現実論」、その「運動=組織論」を適用することによってはなしえない。それは、この理論の適用限界をなす。私は、少し前までは、われわれの諸活動の解明にかんしては、運動=組織論を現実の下向分析に適用することをとおして可能である、と考えていた。しかし、そうはいかない、ということがわかった。「運動=組織論」とは「大衆運動づくり=党組織づくり論」なのであるが、われわれは、「大衆運動づくり」ではなく、プロレタリア階級闘争を創造しなければならないのであり、プロレタリア階級闘争づくり=党組織づくりの実体的構造を解明しなければならないのだ、ということを私は自覚したからである。他面から言うならば、われわれの実践の解明と総括にかんする同志たちとの論議をとおして、従来的な感覚と『反スタ 2』の諸規定・論述を適用していたのでは、革命的フラクションの固定化傾向、すなわち党細胞を創造できない欠陥がどうしてもうみだされてしまう、ということを私は自覚したからである。

 『反スタ 2』の論述にかんしては、その諸規定が明らかにされた物質的基礎をなすベトナム反戦闘争の学生戦線での組織化、このわれわれの実践に十全に妥当する特殊理論というように考えるべきである、と現在的に私は思うのである。

 われわれは、われわれがプロレタリア階級闘争を創造し推進するための理論を明らかにしなければならないのである。そのために、われわれは、一方では、プロレタリア階級闘争を創造し推進するわれわれの実践の指針を解明する、すなわちわれわれの闘争=組織戦術を解明する、というようにアプローチしなければならない。この解明は、プロレタリア階級闘争の指針論、「闘争=組織戦術論」として明らかにされる。われわれは、他方では、プロレタリア階級闘争を創造し推進すると同時にわが党組織を創造し強化するわれわれの諸活動を解明する、すなわちプロレタリア階級闘争づくり=党組織づくりの実体的構造を解明する、というようにアプローチしなければならない。この解明は、プロレタリア階級闘争づくり=党組織づくり論、簡略に言えば「階級闘争=組織論」として明らかにされる。この「階級闘争=組織論」にかんしては、われわれはこれをプロレタリア階級闘争の指針の解明にも適用しなければならない。この指針は、「闘争=組織戦術」をなすからである。

 われわれは、われわれが自分の所属する労働組合の役員あるいは組合員としてうちだす・組合がとるべき運動=組織方針(組合運動づくり=組合組織づくり方針)を、プロレタリア階級闘争を創造し推進するためのわれわれの実践の指針として、すなわちわれわれの闘争=組織戦術の内容として解明するのである。

 私は、このように考えるのである。

 こう考えるのでどうだろうか。

 

 

 

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