黒田寛一は『組織論序説』(こぶし書房、1961年刊)では、「大衆運動」という用語を否定的な展開の脈絡でつかっていた。次のように、である。

 「大衆運動のつみかさねや階級闘争の激化などによって革命的情勢がうまれるであろうと考えるのは、大衆運動一辺倒主義者の幻想にすぎない。」(294頁)

 これに反して、実践の理論化を積極的におこなうときには、彼は、「プロレタリア階級闘争」という概念をつかっていたのである。したがって、彼は、ほとんどすべてを、この概念をつかって論述していたのである。次のように、である。

 「現代におけるプロレタリア階級闘争の推進母胎をなす前衛組織は、まさにそれゆえに、たんなる政治組織につきるわけではない。それは、既成諸組織の内部における分派闘争と不断の階級闘争を通じてプロレタリア党を創造してゆく実体的基礎であるばかりでなく、いやそうであるがゆえに同時に、自己の物化に無自覚な賃労働者が自己実存の本質を、その世界史的使命を階級的に自覚した革命的プロレタリアとして主体的自己形成をなしとげ、さらに共産主義的人間への自己脱皮をかさねてゆくための場でもなければならない。革命的実践に媒介されたプロレタリア的人間への変革の場とならなければならないものこそが、まさしく革命的前衛組織なのである。」(281~282頁——下線は、原文では傍点)

 ここでは、まさに、プロレタリア階級闘争の推進とプロレタリア党組織づくりの弁証法が、あざやかに展開されているのではないだろうか。

 この『組織論序説』の論述は、倉川篤(松崎明)の実践を理論化したものである、と言ってよい。そういうものであるこの書では、「プロレタリア階級闘争」という概念がつかわれ、こののちの、倉川篤(松崎明)の実践を「ケルン主義」と批判した書では、この概念に代わって「大衆運動」「大衆闘争」という概念がつかわれているということは、なにごとかを暗示しているのではないだろうか。

 

 

 

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