「革マル派」中央官僚は「解放」最新号(第2817-2818合併号)に「FSB強権型支配体制を打ち倒せ」という論文を掲載している。

 だがしかし、彼らは、この表題のものを、プロレタリア革命と呼ばないばかりではなく、革命とさえも呼ばない。「ロシアのプロレタリア革命」「ロシア革命」という言葉自体が、1917年のロシア革命をさすものとして以外には、一切でてこない。現存するロシアの国家権力の規定さえもがない。現存するロシア国家の階級的基礎の暴露さえもがない。

 これは、彼ら中央官僚が21世紀現代のロシアにおけるプロレタリア革命を否定し、ロシアにおいて実現すべきものをFSB官僚転覆のクーデタにすりかえたことにもとづくのである。

 彼ら中央官僚は、ロシアの「支配体制打倒」というだけであって、「国家権力打倒」とは言わない。この支配体制とは何か。彼らは、「国家安全保障会議は実質的な意志決定機関になっている」というのである。彼らが目的にしているものは、「国家安全保障会議」転覆のクーデタなのである。このばあいに彼らは、「大統領プーチンはFSB強権的支配体制の表看板として担ぎあげられている」、というのである。彼らは、あくまでもプーチンを国家権力者とは規定しないのである。これは、国家権力そのものの打倒を戦略的目的にすることを回避するための言辞にほかならない。これでは、彼らがいくら「プーチンの戦争」と叫んでも「表看板として担ぎあげられた者の戦争」ということにしかならないのである。

 彼らは、「革命の問題は国家権力の問題である」、と言ったレーニンの意志をとうの昔に投げ捨てたのであろう。

 現存する国家権力の打倒を戦略的目的にすることを回避したい彼ら中央官僚は、当然にも、ロシアに現存する生産関係は何であるのかを見ることから自分の目をふさぐのである。

 彼らは言う。

 「FSB官僚主導による支配体制の経済的基礎は」「支配層たるFSB官僚をはじめとするシロビキどもの私腹を肥やす温床となっている」、と。

 彼ら中央官僚は、FSB官僚をはじめとするシロビキどもを、「支配層」と規定するだけであって、「支配階級」とは決して規定しないのである。すなわち、これらの者どもを、官僚資本家ないし資本家的官僚とは規定しないのであり、これらの者どもがロシアにおけるブルジョアジー=資本家階級の中軸をなす、というようには捉えないのである。したがってまた、これらの者どもが私腹を肥やしている、というように悪い奴らとして描くだけであって、これらの者どもがロシアのプロレタリアを搾取している、とは捉えないのである。ロシアの「労働者階級」という言葉は使っても、この労働者がどのような存在であるのか、ということの規定はない。この労働者は、生産手段をもたず自己の労働力を商品として売る以外にないプロレタリアなのだ、という規定はないのである。

 総じて、21世紀現代においてロシアにおいて成立しているのは、賃労働と資本の資本関係であり、一方における生産手段の資本としての集中と他方における二重の意味で自由なプロレタリアの存在という資本制生産関係である、という把握は、彼らにはまったくないのである。彼らは、このように把握するマルクス主義をとっくの昔に捨て去ったからであり、踏みにじっているからである。彼らがロシアにおけるプロレタリア革命を語ることがないのは、このことにもとづくのであり、資本制生産関係を転覆するためのプロレタリア革命というマルクス主義的把握を足蹴にしているからなのである。彼らの頭に浮かんでくるものは、巷の汚物にまみれた世俗的なものでしかないのであり、そのイメージは、FSB官僚をはじめとするシロビキどもを私腹を肥やした罪で逮捕する、というクーデタなのである。

 もちろん、中央官僚がこのようなことを語る彼らの黒い腹は存在する。それは「スターリンの末裔としての彼ら支配層」という言葉にしめされる。彼らは、「FSB官僚をはじめとするシロビキども」の打倒をもって「スターリン主義打倒」なのだ、と言いくるめたいのであり、そうするためには、シロビキどもがブルジョア階級の中軸であっては困るからである。シロビキどもは、ソ連時代のスターリン主義官僚層と同様に、あくまでも階級ではなく階層であって「支配層」なのでなければ、「スターリンの末裔」という規定が成立しなくなるからである。

 上に見てきたところのものは、「FSB官僚」転覆のクーデタをもって「スターリン主義官僚打倒」だ、押しだすための詐術だったのである。

 このような詐術をこととして自己保身を図る「革マル派」中央官僚を打倒しよう!

 

 

 

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