今朝のNHKニュースでやっていた。「4月に官民一体の金融経済教育推進機構が発足しました。沖縄の高校に部活として投資部ができています」、と。

 流された映像は、高校生たちが、インターネットで調べて、世界情勢を分析し、100万円でどの銘柄の株を買うと儲かるか、というように議論している姿と声であった。

 これは、ロシア政府とウクライナ政府が労働者たちを兵士として動員して戦争を激化させても、イスラエル政府がその軍隊でガザの人びとを虐殺しても、高校生たちに、彼らが反戦の感情と意志を抱くことなく、この戦争でどの産業のどの会社が利益の得るのか、ということに関心をもち考えるようにしむけるものなのである。これは、人間の感性を高校生のときからおかしくさせるものなのである。これは、戦争のニュースに接したときに、人が殺されている、かわいそうだ、という感情をもつのではなく、これでどの銘柄の株を買うと儲かるか、というように内発的衝動がうずく、という人間をどしどしつくっていくことを狙うものなのである。これほど、独占資本家どもにとって都合の良いことはない。

 投資とは何か。それは、労働者から労働というその生き血を吸って資本を増殖するために、貨幣形態の資本を投下することである。すなわち、それは、資本としての貨幣でもって生産手段と労働力商品とを買い入れ、生産手段たる死んだ労働によって、労働力の発現たる生きた労働を吸い取らせ、労働の集積たる資本を肥え太らせる、ということなのである。労働者が投資するということは、みずから自分の血を資本に吸い取らせ、その血の数滴を自分がもらい飲みこむ、ということなのである。

 労働者に投資を勧めるのは、労働者から自分が搾取されていることへの本能的怒りを奪い、労働者的感性を最終的に麻痺させることを目論むものなのである。

 労働者たちは、独占資本家どもによる「金融経済教育」と銘うった策動をうちくだき、搾取そのものを根絶するために、労働者階級として団結しよう!

 

 

 

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