「革マル派」中央官僚は「大多数の労働者への低賃金強制を許すな」と叫んでいる(「解放」最新号=第2811号2024年3月25日付)。

 これが、彼らの「大幅一律賃上げ」闘争の実存形態なのである。

 紙面には、このような叫びがあるだけであって、「大多数の労働者」である・肝心の、下層労働者や過酷な労働を強制されている労働者の職場、その多くが労働組合のない職場、このような職場での賃上げ闘争の報告もなければ、このような職場でいかにたたかうべきなのかという闘いの指針の展開もまったくない。彼ら中央官僚は、どうやって、大多数の労働者への低賃金強制を許さないようにするのであろうか。「解放」にそう書けばできるとでも思っているのであろうか。

 私が働いていた養護老人ホームの給食職場は、まさに下層労働者の職場であった。また、わが仲間が働いていたトラック輸送業の職場、そのトラック運転手はめちゃくちゃに過酷で長時間の労働を強制されていた。これと同様の職場でいま働いているわが仲間たちは、正規雇用労働者もパート労働者もふくめて「みんなの大幅な賃上げをかちとろう」と、職場の全員に呼びかけ団結してたたかいぬいているのである。まさに、このような闘いを推進することこそが必要なのである。

 ところが、中央官僚の「大多数の労働者への低賃金強制を許すな」という闘いは「解放」紙上にしかない。「解放」紙上にしかないということは、どういう職場の労働者なのかということの提示がまったくなく、「大多数の労働者」という抽象的な表現でごまかしていることに、そして「許すな」と言うだけであって、いかにたたかうのかという指針がまったくないことに、端的にしめされている。

 まさに、彼らの闘いとは「解放」紙上だけでの闘いなのである。すなわち、紙の上だけでの闘いなのである。

 かつてのソ連では「紙の上での目標達成」という言葉がはやっていた。この言葉は、政府や党の公文書で使われる公用語にまでなっていた。というのは、各企業の経営官僚や政府の各行政機関の官僚が報告文書でしめした「目標達成」の数値は、かならず、何もやっていない架空のものであるか、そうとう上積みされたものであるかしたからである。そうであることからして、この報告書をうけとった機関がより上級の機関に報告するときにはそのボロが露見していたので、「これは紙の上での目標達成である」という添え書きを記さなければならなかったのだからである。このように記された公文書をソ連の図書館で見ることができたのである。膨大なこのような文書を第一次資料としてソ連の政治と経済を分析した日本の誠実な研究者は、自己の分厚い何巻にも上る本に「このように紙の上で目標が達成された」とそのつど書かなければならなかったのであった。

 「解放」紙上の論文で「革マル派」中央官僚が言う「大幅一律賃上げ」闘争とは、まさにソ連の党=国家官僚が書き記した「紙の上での」生産闘争と同様のものなのである。

 

 

 

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