「解放」最新号(第2807号2024年2月16日付)に、彼らの春闘集会の基調報告が掲載された。

 基調報告者のしゃべり口はいきり立っているのだが、その内容はきわめておさみしい。

 その人物は言う。

 「経団連会長・十倉から「労使は経営のパートナー」だともちあげられた芳野は、この独占資本家に抱きつき〝一体化〟して、二四春闘を裏切ろうとしているのだ。」と。

 芳野は、十倉からもちあげられたので、抱きつき、裏切ろうとしているのだろうか。いまさら、こんなことだろうか。両者は最初から一体化しているのではないだろうか。芳野は、労働者たちをブルジョア的秩序に編みこんでおくお手柄として独占資本家から利潤のおこぼれをもらう労働貴族の頭目なのである。基調報告者が言うのでは、「連合」指導部は労働貴族ではないかのようだ。芳野自身が「労使は経営のパートナー」と思っているのではないだろうか。この報告者は、労働貴族のイデオロギーである階級協調主義ということが何もわかっていない。彼は、芳野を、あたかもたたかうかのように描いておいたうえで、「裏切ろうとしている」と弾劾しているのである。彼は「裏切る」という弾劾の仕方しか知らないのである。彼は、1970年代に生きてきた人物なのだろうか。

 また、彼は言う。

 芳野は、「賃上げのために「連合」としての統一闘争を組織することなど考えようともしていないのだ。」と。

 これでは、基調報告者は、「連合」指導部に、統一闘争を組織してくれないものか、と期待していたことになる。これは、労働者たちに「連合」指導部に幻想をあおりたてるものなのである。この人物は、相手に期待を抱いておいたうえで、そうしない、そういうことを考えようともしない、というように弾劾することしかできないのである。これは、労働組合の指導部はたたかうべきだ、ということを基準とした批判なのである。この人物は、相手がどういうイデオロギーの持ち主なのかということも、相手が階級的にどういう存在なのかということも、まったく分析できないのである。それほどまでに、この人物は没イデオロギーなのであり、階級的立場がないのである。

 さらに、彼は言う。

 芳野が言うのは、「経団連のいう「賃金と物価の好循環」論とどこが違うというのだ。」と。

 この人物は「どこが違うというのだ」と息巻くのであるが、これは、芳野が言うことと経団連の言うこととは違ってしかるべきだ、という枠組みを勝手につくっておいたうえで、そうなっていない、と弾劾するものである。この人物は、「連合」指導部を良いものとして描きたいらしい。「賃金と物価の好循環」論ということでは、「連合」指導部と経団連とのあいだには、最初から何の違いもない。

 このように、「革マル派」中央官僚は、「連合」指導部に、たたかってほしい、と思い、「たたかわない。なんだ!」と言う以外には、「連合」指導部とたたかうことができないのである。彼ら中央官僚とそのもとにいる組織成員は、労働組合の下部組合員を、そして組合のない職場の労働者を、自分が変革し組織する力と展望をまったくもっていないのである。

 

 

 

 

 

 

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