「貴社の福利厚生は外国人従業員も使える?」——日本経済新聞電子版は問いかけた。これは、日本の独占資本家どもの危機意識の吐露である。

 なぜか?

 日本経済は、ガラパゴス資本主義と化しているからである。日本においては少子高齢化によって労働力が圧倒的に不足している。独占資本にとっては搾取材料が底をついているのである。新たに雇い入れる・元気のいい労働者が豊富にいなければ、独占資本にとっては、もっと吸いたい賃労働という生き血がなく、剰余価値の増殖が限界に突き当たってしまうのである。日本では、もうずっと、この状態なのだ。日本は、ガラパゴス島のように、労働力という点において世界から隔絶されてしまっているのである。

 日本政府は、移民を受け入れるという政策をとっていない。難民の受け入れについてはきわめてネガティブだ。政府は、日本で働かせる外国の人びとを「移民」と呼ばず「外国人労働者」と呼んでいるのであり、資本家どもはこの外国人労働者をこき使うだけこき使って使い捨てにしているのである。

 日本の独占資本家どもは、ジレンマにおちいっているといえる。彼らは、一方では、自分たちの資本をよりいっそう増殖するためには、外国から、搾取材料たる労働者をどしどし導入し、彼らの生きた労働を搾り取らなければならない、と考えている、と同時に他方では、現存する日本の労働者種族(労働者とその子や孫たち)をよりいっそう身を粉にするかたちで働かせ、彼らを屈従させて支配するためには、「日本人は優秀なんだ。日本人は勤勉であり、国家・社会・会社というみんなのことを考えて率先して働くんだ」というイデオロギーを労働者たちに注入して、日本人の純血性を守らなければならない、と考えているからである。

 この意味では、日本の支配階級のナショナリズムのイデオロギーは独自的である。このイデオロギーは、縄文人と弥生人がむすびついてできた人種の血が脈々と流れているのが現代の日本人なのであり、このゆえに優秀なのだ、というものである。このナショナリズムは、人種という考え方がむすびついているのである。これを基礎づけるために、支配者どもは、天皇家にかんする神話ではなく、縄文人・弥生人にかんする考古学的研究を利用しているのである。NHKの大河ドラマで紫式部についてやっているのも、これの演技者ではなく、この放送局の首脳陣を後ろからあやつっている支配者の意図からすれば、これほどまでの長編小説を書きえた日本人の優秀さを平安時代にまでさかのぼってしめして見せ、現代の日本の人びとに焼き付けているものなのである。日本の支配階級が、日本の労働者たちをあくまでも徹底的に搾取し不満を抱かせることなく支配するためには、この独自のイデオロギーの貫徹が不可欠なのであり、このイデオロギーの貫徹を現実的なものとして保障するためには、日本人の血に外国人の血を混じらせるわけにはいかないのである。日本の支配者どもが、難民の受け入れをこれほどまでに忌み嫌い、外国人労働者をこき使うだけこき使って出身国に追い返してしまう理由はここにある。

 支配者どものこのイデオロギーの労働者への貫徹のお先棒を担いでいるのが、「民族」を至上の価値あるものとして希求している「革マル派」中央官僚派なのである。

 だがしかし、日本の独占資本家どもにとっては、こういうことをやっているだけでは、日本経済は衰退の一途をたどってしまうのである。子どもを産めと号令をかけてみても、老人をさらにさらに長く働かせも足りない。日本経済を何とかするためには、外国人労働者を少しは大切にしなければならない、というわけなのである。そこで出てきたのが、独占資本家の代弁者による「貴社の福利厚生は外国人従業員も使える?」という問いかけなのである。

 このように、あらゆる層の労働者たちを何としても搾取し支配することを追求している独占資本家どもと国家権力者の策動をうちくだくために、日本の労働者階級は階級的に団結しよう! 全世界のプロレタリアートと国際的に連帯し団結しよう!

 

 

 

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