経団連は「労使自治を軸とした労働法制に関する提言」なるものを公表した。

 はじめて聞く言葉だ。「労使自治」だと!! これは、自分の企業で決めることに外から口出しさせない、ということだ。この言葉には、雇っている労働者と労働組合を自分たちはからめとっているのだ、という独占資本家どもの自信があふれている。傲慢だ。われわれが団結をつくりだしている労働組合と労働者は、独占資本家どものこんな勝手な真似は許さない!!

 「労使が話し合いを重ねて望ましい働き方を決めていく「労使自治」を軸とした労働法制への見直しが求められている。」その「際には、(1)労働者の健康確保は最優先(2)労使自治を重視し、法制度はシンプルに(3)時代にあった制度見直しを――の三つの視点が求められる。そのうえで政府は、(2)の観点を踏まえつつ、三つの制度見直しを図るべきである。」

 経団連は、こう言うのである。言いたいことは「労使自治」だ。

 具体的にはどういうことなのか。

 「裁量労働制の対象業務は当事者である労使が議論し選択できる仕組みにするなど、労働時間規制のデロゲーション(注)の範囲を拡大すべきである。」と言う。

 ほら、独占資本家どもは、どす黒い腹を出した。労働者たちに長時間労働をやらせたい、ということなのだ。社会的には過労死などが問題となって建前上は労働時間の規制がなされるが、自分の企業では裁量労働制を理由づけにして労働者たちに長時間労働をやらせるぞ、これに社会的に文句を言わせないために、このことを法制度としても決めよう、というわけなのである。

 「デロゲーション」には、「(注)労使の集団的な合意により、各社の実態に応じ、規制の例外を認めること。36協定の締結が代表例」という注がつけられている。何と露骨な言い回しであることか。言いたいのは、「規制の例外を認めること」。36協定にもとづくとして、労働者がものすごい長時間にわたって労働することを決定する、ということだ。しかも、労働時間というように時間で決めると限界があるので、裁量労働制というかたちで、労働者が自主的にやっていることにする、ということなのだ。どこまでも腹黒い。

 さらには、「過半数労働組合がない企業」では「新たな集団的労使交渉の場として「労使協創協議制」を創設すべきである」と言うのである。既存の労働組合については、「連合」の労働貴族を手下として使ってからめとってきたけれども、労働者の組織率が低くなってきているので、資本家の言うことを労働者にスムーズに聞かせるための組織を新たにつくる、ということなのである。

 労働者と労働組合は、独占資本家どもに、労働者の団結をこんなに見くびらせてはならない。搾取をよりいっそう強化するために長時間労働を強制するこの攻撃を、そして労働者たちを資本家どものもとにがんじがらめにからめとっていくこの攻撃を、うちくだくために、労働組合の下部組織から、その階級的団結を強化してたたかおう! 労働組合のない職場では、労働者全員の階級的団結を創造し強化してたたかおう!

 

 

 

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