このブログの読者の人が、「黒田寛一著『賃金論入門』を全部調べたが、「仮象実在」という用語はでてこなかった」、と教えてくれた。「仮象」という用語はでてきたのかどうかということについては触れられていなかったが、触れられていない、ということは、でてこなかったのではないか、という気がする。

 また、私もわが仲間も、辞書をいろいろと調べたが、ドイツ語の「Schein」について、「仮象実在とも訳す」と記載しているものはなかった。「仮象実在」という用語そのものが見つからなかった。みんなが思い起こしても、——黒田に教わったことを書いりしゃべったりしたと思われるもの以外では、——書物にも文章にも「仮象実在」という用語が出てきた、という記憶はなかった。

 「この述語〔Schein〕は、「仮象実在」とも訳されている」(黒田寛一『革マル主義述語集』60頁)、ということそれ自体が、黒田の記憶違いなのではないだろうか。そして、間違って記憶していたうえで、口で説明するとき以外では、すなわち論文で経済学的な内容を展開するときには、この用語を使うことはないので、「仮象の実在性がとらえられていさえするならば、わざわざ仮象実在と訳す必要はない」(同前)、としたのではないだろうか。

 「仮象実在」という用語を使った哲学者はいない、ということを証明することは不可能である。すべての哲学書を読むことはできないからである。とはいえ、これまで、一般に、ドイツ語の「Schein」が「仮象実在」と訳されたことはないのではないだろうか。一般には、「仮象と実在」というように問題にされるからである。

 黒田は、「物質代謝」の原語が「メタモルフォーゼ」である、と間違って覚えこんだのと同様に、けっこう若いころに、何らかの用語を「仮象実在」という語だというように取り違え、勘違いして覚えこんだのではないだろうか。そしてそれが黒田の大脳皮質部にすりこまれ、ずうーっと記憶として残ったのではないだろうか。

 このようなものであろう「仮象実在」という用語をふりまわしているのが、すなわち、「解放」新年号の漫画の、雲の上で馬に乗った・コサック兵とも卑弥呼とも見える女性がふりかざしている刀のように、「民族は仮象実在なんだ」と息巻いて「仮象実在」という用語を振り回しているのが、笹大和巫女である笹山登美子なのである。

 

 

 

 われわれの基本文書と英文を私のホームページに掲載しています。見てください。メインページの右上のメニューのところの「基本文書」「ENGLISH」をそれぞれクリックすると出てきます。

 また、創造ブックス発行の本については、その全文のPDFファイルを順次ホームページに掲載しています。読んでください。

 

 北井信弘・創造ブックスwebsite:    https://n-kitai6.webnode.jp

 北井信弘・創造ブックス ホームページ:https://n-kitai8.webnode.jp

 

 私のメールアドレスは、nbkitai@yahoo.co.jp です。

 自分のおいてある場の現実をかえていくために論議していきましょう。

 私のブログへの感想や、生起している問題についての疑問・考えなどをお寄せください。私に連絡をくださるばあいには、このアドレスにメールを送るようにお願いします。

 私に手紙をくださる方は、本に書いている住所に郵送してください。

 あるいは、メールを送ってくだされば、住所をお伝えします。

 

 革共同革マル派・探究派のブログも見てください。

 「探究派公式ブログ」:

 https://tankyuka.hatenablog.com ででてきます。

 

 松代秀樹・春木良編著『国際主義の貫徹 プロレタリア階級闘争論の開拓』(プラズマ出版)は、全国の丸善・ジュンク堂書店、紀伊國屋書店、書泉グランデ4階(神保町)、模索舎(新宿)など、全国の主要書店で販売中。

 松代秀樹編著『松崎明と黒田寛一、その挫折の深層 ロシアのウクライナ侵略弾劾』など、プラズマ出版発行の本については、プラズマ出版のホームページを見てください。

 プラズマ出版:https://plasmashuppan.webnode.jp