以下が、ooyoko-honさんへの岩淵宗太郎さんからの返事です。

 

 

 ooyoko-hon さんの簡潔なコメントに対し、すこし長いご返事になります。 

 

 ゼレンスキー政権はロシアのウクライナ侵略以前から、組合の労働者を無権利状態に陥れる政策を準備しておりましたが、ロシアの侵略が開始されると、政権は組合の労働貴族たちを抱き込み、組合活動そのものを祖国防衛政策に巻き込み、組合員をウクライナ政府軍と一体化するかたちで強制的に徴兵し、各地の激戦地に駆り出していったのです。

 

 このことを百も承知であるにもかかわらず、「革マル派」中央官僚は労働者階級の反戦・反権力のたたかいには目もくれず、ゼレンスキー政権の掲げる祖国防衛主義にもとづく戦闘行為を民族の英雄的たたかいとして支持・絶賛し、これとの連帯をロシアのウクライナ侵略反対のたたかいとして日本の地でも訴えてきたのです。

 

 したがって中央官僚の意識には、ウクライナ労働者階級を主体とした統一戦線の結成や、そこから見渡す未来への展望(ソビエト)などはもともと存在しないのです。むしろそのようなまっとうな展望をウクライナ・ブルジョア民族主義によって遮蔽し、プーチン・ロシアの侵略を阻止しうる国家の樹立を、中央官僚どもはゼレンスキー政権とともにナショナリストとして夢見ているのでしょうか。かりにそういう国家ができたとしても、そこは、欧米資本や帝国主義諸国家権力にテコ入れされたウクライナ・ブルジョアジーの反共の政治的・経済的・軍事的拠点にしかならないのは明らかです。

 

 けれども今、状況は彼らにとって非常に厳しいものとなっています。ウクライナ、中東、東アジアの軍事的緊張により、欧米諸国家権力者にとって、その武器供与の経済的負担が大きくのしかかり、とりわけウクライナへの軍事支援を打ち切る動きが顕著になっているのです。

 

 これまで欧米帝国主義国家の側に身を寄せ、その軍事支援を前提に今後の展望を描いていたにすぎなかったゼレンスキー政権および「革マル派」中央官僚にとっては非常事態であり、厳冬期を迎えた戦線での後退が不可避となっているのです。

 とりわけ、中央官僚により、その祖国防衛主義の正しさを信じ込まされ、将来の甘い展望を疑ってもみなかった下部組織成員の動揺は想像を絶するものがあるのでしょう。

 

 『解放』新年号の中東・東アジア情勢への膨大な紙面の配分は、中央官僚どもの路線の破産や自己喪失に陥った下部組織成員たちの内面にできた空白を必死に埋め、押し隠すものでしかなかったのです。

 私の「展望の喪失」という表現への疑問についてですが、「本来的な労働者的な理性としてのそれ」ではなく、「ナショナリストへと転向したものが、当初から抱いていた観念的な願望さえもみずから断念せざるを得ない」という意味で、うけとっていただければと思います。以上。

 

 岩淵宗太郎

 

 

 岩淵宗太郎さんの返事は以上です。

 

 

 

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