ヨーロッパおよび全世界のプロレタリア的左翼の同志たちは、プロレタリアートをいかに階級として組織していくのかという指針を解明していくために、さらに次のことを深く考察することが肝要ではないか、と私は思う。それは、プロレタリアの存在の論理、プロレタリアの自覚の論理、プロレタリアの組織化の論理という三者を、それらのアプローチの違いを明確におさえつつほりさげていく必要がある、ということである。

 われわれは、第一に、プロレタリアの存在の論理を明らかにしなければならない。プロレタリアは、二重の意味で自由な労働者、すなわち、人格的に自由であると同時に生産手段を持たない、すなわち生産手段から自由であるがゆえに、自分の労働力を商品として売らなければならない労働者である。このようなものとして、プロレタリアは疎外された労働を強制され、資本に生き血を吸われる労働者である。こういうことを解明するのは、プロレタリアとは何か、プロレタリアとはどういう存在なのか、ということを明らかにするものであり、この解明をとおしてつかみとられるものは、プロレタリアの存在の論理である、ということができる。

 第二には、われわれは、プロレタリアはどういう存在なのかということを明らかにしたことを基礎にして、このプロレタリアが、前衛党の働きかけを媒介として、自分自身をどのように自覚するのかという、この論理を明らかにしなければならない。これは、プロレタリアが、自分が何であり何であるべきか、ということをつかみとる論理の解明である。このようにして明らかにされるのが、プロレタリアの自覚の論理である。

 このばあいには、われわれは、プロレタリアを主体にして論じるのであり、このプロレタリアの自覚は、前衛党の働きかけを媒介とする、ということである。レーニンのように、階級的意識は労働者にその外部からもたらされる、ということを言うだけでは、この論理の解明にはならない。それでは、労働者の意識が階級的なものにかわることを対象的に論じたことにしかならないのである。まさにプロレタリアが、前衛党の働きかけを媒介として、おのれがプロレタリアである、ということに目覚め、自分が何をなすべきかを自覚する、というこの論理を明らかにしなければならないのである。

 第三に、われわれは、プロレタリアの自覚の論理を明らかにしたことに立脚して、前衛党がいかにしてプロレタリアを変革し組織するのか、という論理を解明しなければならない。この論理が、プロレタリアの組織化の論理である。われわれは、この論理を、前衛党とプロレタリアとの実体的対立を措定して解明するのであるが、このばあいには、前衛党が主体をなし、プロレタリアは、前衛党が働きかける対象をなす。そして、前衛党たるわれわれは、いかにして、プロレタリアの意識を変革し、彼らを階級として組織するのか、ということを実践論的=主体的に論じるのである。

 この第三のアプローチから、レーニンの『なにをなすべきか』の展開を捉えかえすならば、レーニンは、前衛党と労働者との実体的対立を措定して労働者の意識の問題を論じているのであるが、「階級的意識は労働者にその外部からもたらされる」というように、対象的に論じてしまい、前衛党たるわれわれがいかに労働者に働きかけるのか、というように実践論的=主体的に論じていないことが問題なのである。

 こういうことを省察することが肝要である、と私は考えるのである。

 

 

 

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