労働組合での・また・職場での闘争にとりくむ前衛党組織とその成員の諸活動の主体的構造

 

 

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 プロレタリア世界革命のためにたたかう全世界の同志たち!

 プロレタリア前衛党は、プロレタリア革命の主体をなすプロレタリアートを階級として組織するために、労働者たち一人ひとりを変革しなければならないのであり、党組織の構成員は、党員としての独自の活動を遂行するばかりではなく、労働組合においては組合員あるいは組合役員として、また、労働組合が結成されていない職場においては一労働者として、ウクライナ反戦闘争、賃上げ闘争、そして合理化反対闘争などの諸闘争の指針を積極的に提起し、この指針にのっとって労働者たちの先頭にたってたたかい、彼らを変革し組織する諸活動をくりひろげることが肝要である、とわれわれは考える。それはまた同時に、前衛党組織を、マルクス主義を体得し共産主義的意識を獲得した革命的プロレタリアをその構成員して創造し建設しなければならない、ということにももとづくのである。

 われわれは、このような立場にたって、日本におけるわれわれの闘いの教訓を明らかにしたい、と考える。

 日本においては「連合」という名の労働組合連合体が結成されており、軍需諸産業を基盤とし、日本のナショナリズムならびに国家と企業に奉仕するというイデオロギーを精神的支柱とする労働貴族がその指導部を牛耳っている。この「連合」の傘下の産業別労働組合連合体は、それぞれの企業に結成された労働組合(企業別労働組合)が産業別にゆるやかに結びつくという形態をとっている。われわれの党員は、この企業別労働組合の下部組織の執行部役員あるいは組合員として活動しているのである。

 わが党員はこのような企業別労働組合の下部組織のリーダーというかたちでも活動している。このような諸条件のもとで、わが党員は組合役員としてどのように方針を提起し諸活動をくりひろげるべきなのか、ということを明らかにすることが必要である。

 

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 多くの企業では、その経営陣は、全社的なコンピュータシステムを導入し、これに見合うように人員を入れ替え労働組織を再編する、という合理化攻撃をかけてきている。このような企業の労働組合の指導部の多くは、階級協調主義の右翼的な社会民主主義的イデオロギーにもとづいて組合運動を推進しており、経営陣のこの提案をうけいれたうえで、会社の提案が実施されるということを組合の各級の機関に通告してくるのである。

 わが党員は組合下部組織のリーダーとして、この通告を受けるとすぐに、「この再編によって労働者たちが犠牲をこうむることがあってはならない」ということを、組合の上部機関の役員たちと論議し、下部組織の執行委員会において、この攻撃がどういうものであるのか、ということ、そして、職場の労働者たちにどういう問題が降りかかってくるのかを具体的に点検しよう、ということを提起して意志一致し、執行委員で分担して組合員たちと論議しなければならない。そして、わが党員は組合役員として、生起してくるであろうと推測される問題について集約し、そういう事態をくい止めるべきことを上部機関の役員と協議するとともに、当該の組合下部組織の組合員たちが労働者として所属している労働部門の管理者たちに、「労働者たちに犠牲を強いてはならない」ということを、具体的なかたちで問題を提起して、申し入れなければならない。

 当該労働部門の管理者たちへのこの申し入れと協議は、「現場協議」とか「現場交渉」とかと呼ばれる。労働組合の下から声をあげて、会社経営陣に「団体交渉」をおこなう組合執行部に、組合員の利害を守るようにせまると同時に、わが党員が組合役員として、組合下部組織の執行委員会を牽引して、この「現場協議」=「現場交渉}において力を発揮することが肝要なのである。労働組合と組合員たちの団結の力は、すなわちその階級としての力は、この労働の現場での「産業下士官」(マルクス)との対峙において、これを発揮することができるのであり、そして力としてしめされるのだからである。

 わが党員は組合役員として、執行委員会において、このような闘いの諸実践を総括し、さまざまなイデオロギー的傾向をもつ執行委員たちを階級的にたかめ、強化していかなければならない。そして、この総括を組合員たちに提起して論議し、彼らに階級的自覚をうながしていかなければならない。

 以上にのべてきたような諸活動については、わが党員の組織活動という角度から言えば、「わが党員が組合役員あるいは組合員としてくりひろげる活動」と呼ぶことができる。この活動の形態にかんしては、「わが党員が党員として展開する活動」とは明確に区別されなければならない。後者は、わが党員が党員として、機関紙や書籍を発行し販売するというかたちで、党独自の宣伝をおこない、新たな党員を獲得する、という活動の形態である。両者の活動の形態は立体的に把握されなければならない。党員は労働組合に所属しているならば、そこにおいては組合員である。その党員が組合運動の場面で党員として、党の利害と党派性を直接的に貫徹するならば、労働組合をひきまわすことになり、セクト主義という偏向をおかすことになるのである。他面、党員が党員として独自の活動を展開することをおろそかにするならば、組合運動に埋没してしまうことになるのである。

 

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 さらに、わが党員は、組合下部組織の執行委員や組合員のなかの先進的なメンバーたちを組織して、組合内左翼フラクションを創造しなければならない。わが党員は組合役員として、この左翼フラクションを実体的基礎とし、労働組合を主体として、そのときどきの組合の課題を実現するための組合運動を展開するのである。

 わが党員は、執行委員会の会議や組合運動上のとりくみの前には、左翼フラクションの会議を開いて意志一致し、そしてそれらの後にも会議を開催して、この左翼フラクションとしてのとりくみとその諸成員の諸実践を総括して、生起した問題についてその根拠へとほりさげ、そのそれぞれのメンバーを思想的にたかめていかなければならない。それと同時に、わが党員は、この反省の論議において、マルクス主義の内容を積極的に提起して、これを理論的武器とし適用して反省をほりさげ、そのメンバーたちを思想的に変革して、彼らをマルクス主義者=共産主義者へと鍛えあげていかなければならない。

 組合内左翼フラクションを創造しそのメンバーを思想的に変革していく、というわが党員の活動は、「組合役員あるいは組合員であるにもかかわらず党員にふさわしい組織活動」ということができる。わが党員は、組合運動の場面において、組合役員あるいは組合員として活動するばかりではなく、組合役員あるいは組合員であるにもかかわらず党員にふさわしい組織活動をも展開しなければならないのである。

 この意味において、わが党員の活動は、

 1 わが党員が党員として遂行する活動

 2 組合役員あるいは組合員であるにもかかわらず党員にふさわしい組織活動

 3 わが党員が組合役員あるいは組合員として展開する活動

という三形態をとる、ということができるのである。

 そして、このことは、われわれ主体の規定性が、われわれが実存している場所の物質的諸条件に規定されて転換する、ということにもとづくのであり、党員である私は、このことを自覚し、自分が活動する場所の物質的諸条件の分析に立脚して、自分自身の規定性を自覚的に転換するのである。

 われわれは、1番目の活動と3番目の活動ばかりではなく、2番目の活動をふくめて、この三つの形態の活動のすべてを、自覚的に立体的に展開しなければならない。

 

 

 

 

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