「解放」最新号(第2767号)のトップ論文の全文を見ると「ウクライナ」についてふれているところがあった。
「ウクライナ大統領ゼレンスキーは、ロシア侵略軍を叩きだすための強力な支援を各国に懸命に訴えている。」と。
このように、ウクライナの支配者を最大限にもちあげ、自分たちがこの支配者を支持し、西側帝国主義諸国家権力者に期待し依存する、という気持ちをもろに吐露しておいたうえで、次のようにもっていくのである。
「このゼレンスキーの訴えを最大限に政治的に利用して、いま大軍拡と日米同盟強化に突進しようとしているのが、岸田政権にほかならない。」と。
ようするに、彼ら中央官僚は、岸田政権にたいして、ゼレンスキーの訴えを政治的に利用しているだけだ、その訴えにまじめに応えていない、と弾劾しているのである。
よく言ったものだ。「西側帝国主義諸国家権力者殿よ。ゼレンスキーへの支援に全力で集中してくれ。中国への対抗ということなんぞに、目をむけているときではないではないか。そんなことをするのは、困っているゼレンスキーの訴えの政治的利用だ。彼の訴えをもっとまじめに聞いてやってくれ」、というわけなのである。
その「政治的利用反対!」の中身たる「反安保」とは、「アメリカ帝国主義のバイデン政権が「属国」日本の岸田政権をしたがえて」いることに反対、というものなのであり、日本帝国主義国家が、アメリカの「属国」になっていることから脱却し、自分で判断する・もっとまともな帝国主義国家として自立してほしい、ということなのである。アメリカのことなど気にせず、ゼレンスキー政権に殺傷兵器を供与できる立派な国家になってほしい、ということなのである。
ここにつらぬかれているのは、中央官僚派版の日本ナショナリズムである。
このような日本ナショナリズムの反プロレタリア性を徹底的にあばきだし、全世界の労働者階級のプロレタリア・インターナショナリズムにもとづく階級的団結をかちとろう!
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