黒田寛一が生きていた時代を考えよう。

 学生戦線で留年して全学連運動を展開したうえで就職し労働戦線に移行するメンバーが多かった。入った職場は、労働組合がないか、組合はあっても会社派幹部ににぎられているかする、ということもまた多かった。職場では、われわれは自分一人である。

 こういう主客諸条件のもとでは、自分が経営者・管理者とたたかう、闘争する、と発想し考えなければならない。このようにひとりでに、自分の感覚と体と頭が動くのでなければならない。

 「既成の社共指導部によって歪曲されている労働運動を左翼的にのりこえていくために、その運動を規定している方針をつかみとり、その否定を媒介としてわれわれの闘争=組織戦術をうちだす」というように考えても、それは観念的である。職場にはそのような運動は存在しないからである。職場では、みんなが経営者・管理者に抑えつけられているからである。

 われわれは、職場で経営者・管理者と自分がたたかうための指針を自分が解明するのであり、自分がくりひろげる諸活動を自分が解明するのである。自分が経営者・管理者と闘争し、これをとおしてまわりの労働者たちに、ともにたたかうことをうながす、と同時に、自分が、彼らと、彼らをプロレタリア革命の主体へと変革したかめるために思想闘争を展開するのである。われわれは、自分自身がどのように実践すべきなのか、ということを構想することが肝要である、と私は考えるのである。

 自分がまわりの労働者たち・あるいは・組合員たちを動かすための方針を考えるのではないのである。

 「既成の社共指導部によって歪曲されている労働運動を左翼的にのりこえていくために」というように考えているばあいには、既成の社共指導部によって歪曲されている労働運動が現存在していることを前提として、その運動を左翼的にもっていく戦術を提起し、この戦術を組織戦術にふまえたものとするならば、この運動をとおしてわが組織の担い手を創造することができる、というように構想している、と私には思えてならない。

 日本労働運動総体を考えるばあいには、「既成の社共指導部によって歪曲されている労働運動を左翼的にのりこえていくために」というように問題をたてなければならない、といえる。現にそういう運動が展開されており、1960年代までは、われわれはその運動総体には影響力をおよぼしえないほどに微弱だったからである。

 だが、自分が職場でどのように実践するのか、ということを構想するばあいには、そうはいかないのである。

 自分がたたかう、というように意志しないかぎり、もしも民同左派的な組合運動の名ごりのある職場に入ったときには、現に動きだしている組合員たちの流れに自分がのっかる、というように、自分の感覚と体と頭がひとりでに動いてしまう、ということになるのである。

 

 

 

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