黒田寛一は、ソ連が崩壊した直後の1992年に「世紀末の思想問題」という論文を書いた。だが、そこには、ソ連の崩壊とその根拠にかんする考察はない。
この論文を今日的に再読してそこに孕まれている問題をえぐりだした論文が、椿原清孝「一九九二年、黒田寛一の思想的逆転回」論文である。
「世紀末の思想問題」では、黒田は、〈歴史の必然〉を拠点として自分を何とかおったてていること、そして、ゴリ・スタ(ゴリゴリのスターリン主義者)への期待をあらわにしていること、これらとその問題性が、この論文で明らかにされている。
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