労働組合のない職場において自分が強いられている労働にたいして、「こんなに仕事量があるのに、こんな人数じゃ、仕事がまわらない」と感覚し考え、管理者に、このことを訴え、人員数を増やしてくれ、と要求する、という傾向がある。管理者は、「募集しているんだけれども、こない」と答えて、それが嘘か本当かはわからないけれども、労働者の数を増やそうとはしないのである。わがメンバーは、「仕事がまわらないのに、会社は人数を増やそうとしない、労働者は、人員増を要求してたたかおう」と考え、いっしょに仕事をしている労働者たちに、そのように訴えて働きかけるのである。

 ここで、わがメンバーが「こんな人数じゃ、仕事がまわらない」と感覚し考えることが問題となる。われわれは、この会社のこの労働部門の運営に参加しているのではないのである。この労働部門の仕事量と労働者数との比率にかんしては、会社の経営者と管理者が決定しているのであり、労働者たちに労働強度の強化を強制してくるのである。これにたいして、われわれは一労働者として、労働者たちに働きかけ、この労働強度の強化をはねのけるためにたたかうのであり、その一つとして、労働強度を緩和するために人員増を会社側に要求するのである。

 「これじゃ、仕事がまわらないじゃないか、人員を増やしてくれ」というのでは、われわれが一労働者として、この労働部門をどのように運営するのかを考える、という立場にたって、より良い案を提示し、管理者にのませる、というものとなってしまうのである。これは、われわれが一労働者として、この労働部門の運営にその一員として加わっているかのようにして、管理者と話しするというものなのであるが、現に管理者と話ししたときには激烈な言い争いになってしまうのである。どう運営するのがいいかという一つの土俵を自分の側からつくって話ししていることからして、「仕事がまわらないのに、人員を増やさないのは何だ」というような、管理者への弾劾になってしまうからである。

 組合のない職場でわがメンバーが一労働者としてまわりの労働者たちに働きかけながらたたかっているという主客諸条件のもとでは、管理者に「もっといろんな手を使って募集をかけてくれ」と要請するとともに、過酷な労働に追いつめられている労働者を守るためにたたかうべきなのであり、仕事が溜まってくれば、掃除とか整理とかや——ここで公然とは表記しないほうがいいような——その他の仕事を残してしまうべきなのである。そういう仕事は結局やらないままになっていいのである。それは、会社の責任に属することである。それは、資本に自己の労働力を切り売りした労働者が責任を負うべきことではないのである。

 わがメンバーは、職場の労働を思い浮かべずに理論を理論として考えるときには、管理者は産業下士官であり、自己の労働は疎外された労働であるということははっきりとしており、そして、しっかりとした理論を展開するのである。だが、いざ、職場で仕事をしていたり、また仕事をどうやっていけばいいのかと考えたりするときには、その理論とは無関係となるのである。わがメンバーは、管理者は資本を体現しているのであり、自分は賃労働を体現しているのだということ、そして、自分が働きかける対象的諸条件および自己の生きた労働は資本の定有をなすということ、こういうことは感覚せず、管理者と自分とは、上下関係の違いはあれ当該の労働部門の仕事をまわしている人間であり、自分のやっていることは、首尾よくまわしていかなければならない仕事だ、と感じているのである。

 こういうことについて自己をふりかえり考察しなければならない、と私は考えるのである。

 

 

 

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