「革マル派」中央官僚は、プロレタリアートに不信を抱き、民族排外主義に転落した。下部の組織成員たちは、これにつき従い・あるいは・こぼれ落ちた。黒田寛一の主体性論をもっているはずの下部組織成員たちがこうなってしまったのは、いったい、なぜなのか。

 このことを考えたとき、私は、かつて黒田寛一に、労働組合の役員をやっている組織成員が組合運動や職場の諸問題をめぐって誤謬や問題を引き起こしたことを報告した時に、しばしば「役員を下ろせ。役員を下ろして勉強させろ」、というように彼から指示されたことを思い起こす。

 今日から考えるならば、これでは問題は解決しないのではないか、と私は思う。その組織成員は組合役員をやめても、その職場にいるのである。彼は、おのれがその職場でプロレタリア的にたたかう、ということを考えなければならないのではないだろうか。これは勉強することにつきないのではないだろうか。

 さらには、黒田から、「(問題を起こした組織成員を)職場をやめさせろ。別の職場にかわらせて勉強させろ」、と——土井らの常任メンバーに——言われたこともあった。このばあいにも同様に、これでは問題は解決しないのではないだろうか。その組織成員は職場をかわっても、新たなその職場に実存しているのである。

 もっと一般的なばあいを考えよう。

 産別組織の指導的メンバーのなかには、党常任メンバーから、「職場で活動しなくていいから、わが組織の指導的な諸任務に専念してくれ」、と言われ、そのようにしているメンバーがそれなりにいた。それらのメンバーは自分の職場では何にもやっていなかった。そのなかのメンバーは、自分が仕事ができることに自信をもち、上司から自分が仕事ができると評価されているのを誇りに思っているというふしもあった。

 だがしかし、である。

 そのメンバーが、わが組織の指導的な諸任務が多忙であることからしてそれに専念する、というのはそれでよい。そういうことからして、組合の役員になって活動するとか、あるいは、組合のない職場で組合を結成するためにそれ固有の活動をするとか、というようにはしない、というのもそれでよい。だが、そうはいっても、そのメンバーは自分の職場に実存しているのである。

 会社の経営者と管理者は、労働者たちに過酷な労働を強い、種々の攻撃をかけてくる。これに耐え切れず追いつめられていく労働者たちがいる。わが組織の指導的な諸任務に専念しているメンバーは、職場で、こうした労働者たちを守り助けるために、彼らに話しかけ、管理者とたたかわないのだろうか。そうせずにはいられない、と駆り立てられないのだろうか。だが、産別の指導的なメンバーたちから、そういう話を聞いたことがない。

 私は、養護老人ホームで給食の仕事をしながら、ソ連が崩壊した根拠をえぐりだす理論的作業をおこない、同時に、追いつめられる労働者仲間を守るために管理者とたたかって、この感を強くした。

 産別のこうした指導的メンバーは、黒田寛一の『プロレタリア的人間の論理』などの著書を読んで感動している。だが、職場の労働者仲間を守るために管理者とたたかうという熱情がわきあがってこない、というのでは、そのメンバーは黒田の理論の一片に頭のなかでだけ感動しているにすぎず、それは自分自身の思想にはなっていないのである。彼自身の思想は、それとは別のものなのである。黒田の本を読んで黒田と合一したような気分になる、職場で誰よりも自分は仕事ができると自信をもつ、経営者・管理者に自分が認められていると誇りに感じる、このようなものが、彼を実際につきうごかしている・彼の思想なのである。こういわなければならない。

 職場で泥まみれにならなければ、自分をプロレタリア革命の主体たらしめる・自分の思想をつくることはできないのではないだろうか。

 

 

 

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