アフリカ連合(AU)議長国セネガルの大統領サルは、「食糧危機だ。ロシアによってウクライナの穀物を輸入できなくされているだけではなく、ロシアへの経済制裁によってロシア産の穀物が手に入らなくなっている。これを何とかしてほしい」、と訴えていたのであった。

 G7の帝国主義諸国の権力者どもは、この訴えを無視し、金を出すから、と言ってアフリカ諸国の抱きこみを必死で図ったのであった。これが、G7首脳会議の共同声明に盛られた内容なのである。

 彼ら西側の帝国主義諸国家権力者どもは、プーチンのロシアを軍事的・政治的・経済的に追い詰めるためには、アフリカ諸国の労働者・人民を飢餓に追いこんでおいたうえで、その責任をプーチンにのみ押しつけ、それらの諸国の権力者を金で釣る、という行動をとっているわけなのである。プーチンが全世界の労働者・人民を奈落の底に突き落としているばかりではなく、これに輪をかけているのが、西側の帝国主義諸国家権力者どもなのである。

 考えてもみよ。

 セネガルをはじめとする西部および中部のアフリカ諸国14か国は、これらの地域を植民地として支配していた帝国主義国フランスによって、いまなおSFAフラン(セ―ファーフラン)という通貨を押しつけられているのである。この通貨はかつてはフランスのフランにたいして固定されていたのであったが、いまはユーロにたいして固定されており、これらの国には中央銀行がないのである(西部と中部という二つのSFAフラン圏にはそれぞれ中央銀行は設置されているのであるが、それはフランスに従属している)。しかも、これらの国ぐには、外貨準備高の50%をフランスの国庫に保管しなければならない、と定められているのである。まさに、これらの国ぐにはフランスの半植民地なのである。こうした秩序から自国が脱することをはかった権力者はフランス当局によって暗殺されるのだ、という。

 かつては、これらの国ぐにの労働者・人民はソ連の援助のもとに民族解放闘争をたたかってきたのであり、これらの国ぐにの現代の権力者は、こうした過去をもつ労働者・人民を支配しなければならないことのゆえに、フランスには歯向かわないでおいてロシアと中国にすり寄る、という態度をとらないわけにはいかないのである。

 G7の諸国家権力者どもは、ロシアを支持もしないし非難もしないという態度をとる国ぐにを自分たちの側に少しでも近づけるために、そのなかの主要国、セネガル・インド・インドネシア・アルゼンチン・南アフリカの5か国の権力者を、G7首脳会議に招待したのであった。だが、それは、帝国主義諸国家権力者どもが、これらの国ぐにの権力者どもに愁波をおくった、ということにとどまった。

 インドは、ロシアから安い原油の輸入を増やす、という態度をより強く打ちだした。インドと南アフリカは中・露を中心とするBRICSの加盟国である。アルゼンチンはこれへの加盟を申請している。

 5か国を招待した今回のG7首脳会議は、西側の帝国主義諸国とBRICSとの対抗と相互依存という構図を際立たせるものとなった。

 米欧日の西側帝国主義と中露の東側帝国主義との軍事的政治的経済的の抗争と激突は、後者の中露が、伸長する資本主義諸国とBRICSというかたちで連携とっていることを基礎としてくりひろげられているのである。

 東西の帝国主義諸国の権力者どもと支配階級は、食糧危機とインフレに端的にしめされるように、全世界の労働者・人民を飢餓に突き落とし、これらの支配される人びとの搾取と収奪と抑圧を強化することに立脚して、激しく抗争しているのである。

 これらの者どもの支配をその根底から転覆するために、全世界のプロレタリアートは団結しよう!

 

 

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