6月下旬、冬真っ盛り、ニュージーランドです。
私はオークランドのホテルでハウスキーピングとして働いてます。
多種多様な民族がいる多国籍な職場です。
ホテルと言えば旅先での宿泊施設というイメージですが、働き始めて11年目、色々な利用方法があるのだな〜と実感しています。
世界中がコロナに怯えていた頃は、NZに入国した人が14日間しなければならない隔離の施設になったり
詳細は過去記事↓でどうぞ。
オークランドが大洪水に遭った時は、家が倒壊し入れなくなった人たちの避難所にもなっていました。
詳細は過去記事↓でどうぞ。
ハウスキーピングとは言え、普段はパブリックエリア担当で部屋以外の清掃を担当している私ですが、忙しい時には連泊されている方の部屋清掃に入ります。
その日もいくつかの部屋を担当していましたが、職場ホテルにはハウスキーピングのカギでは開かない部屋がいくつかあります。
ちょうどミニバーの飲み物を補充しているロドリコが通りかかったので開けてもらうと、
「この部屋のゲスト、先週は違う部屋にいたんだよ〜」
彼曰く、どうやらホテル内の部屋を転々としているらしい。
おかしいなぁ〜とは思いましたが、時々部屋が気に入らないと文句を言いあちこち変わるクレーマーもいるので、そういう類なのかな、と思っていました。
清掃の為部屋の中に入ると、どうやら親子らしく、備品のメモ帳には可愛らしい絵がいっぱい書いてありました。
子供のいる部屋ってかなり散らかっていたりするんですけど、その部屋は荷物も少ないし、ロドリコが言うにはあまり外出することもないゲストなんだそう。
絵を書くのが好きな子なんだ~とメモ帳をどっさりサービスで置いて、清掃を終えました。
翌週、その親子がチェックアウトしてから詳細が知らされました。
家庭内DVで保護されていたそうです。
旦那に居場所を突き止められないよう部屋を転々としていたんですって。
ウチのホテルに来る前もどこかのホテルに滞在していたらしい。
こういう情報は役職アリのスタッフ間では共有するけど、私達には知らされません。
誰かがどこかで繋がっていて居場所を教えてしまうとも限らないですしね。
この部屋で、少しは安心して生活出来たのかなぁ〜。
いつまで逃亡生活が続くのかは分かりませんが、無事に幸せになって欲しいです。
ホテルは旅先の楽しいだけの滞在とは限らない。
毎日、何百人もの人たちがチェックイン/チェックアウトして、それぞれに物語があります。
ハウスキーピングオフィスの掲示板には、そんなゲストたちが残してくれたメッセージが絶えず貼ってあります。
フロント係やレストランスタッフたちはゲストから直接の”ありがとう”があるけれど、私達ハウスキーピングがその声を聞くことはほぼないので、こういうメッセージはすごく嬉しいです。
「素敵な滞在をありがとう」
こちらこそ、
素敵に滞在してくれてありがとうございます。