7月上旬、寒っ!冬が止まらないニュージーランドです。
私はオークランドにあるホテルでハウスキーピングとして働いています。
多種多様な民族がいる多国籍な職場です。
2年前くらいでしょうか、私が勤めて9年目にして初めて日本の子が入社してきました。
彼女はフロントの夜勤で私はハウスキーピングの日勤なので、朝すれ違うくらいでしたが、その時にする日本語のおしゃべりが本当に楽しかったです。
その彼女が退職し、日本に帰るそうです。
また、職場で”たったひとりの日本人”になりました。
まあ、よく考えたら彼女が来るまでの9年間ずっと”たったひとり”だったので、特に何か感じることもない。
海外生活を始めて28年、沢山の日本の方に出会ったけど、残る人より帰る人の方が断然多く”さよならは”いつもどこかにあって、それに慣れることはないけれど、慣れていかなければならないのです。
彼女の最後の出勤日
「これからどうするんですか?」
と聞かれました。
へっ!?
どうするもなにも、このままここで働いていくけど、、、。
の答えに、今度は彼女が
えっ!?
いやさ〜、私、海外での経験を積みにココで働いているワケじゃなくて、普通に生活しているだけだし〜。
労働ビザで働く彼女と移民の私ではNZ政府からの待遇も違うし、親子ほど年も離れているので考え方も違います。
彼女からすれば”清掃員を一生?’となるかもしれないけれど、私はコレがいいんです。
海外に出てからずっと戦ってきて、やっと見つけた自分の居場所だから。
ハウスキーピングになったことで”あんな仕事”とか”こんな仕事”呼ばわりはよくされたし、最初はフロントとかやってみたいと言っていたのに全く動かない私に「向上心がない」と言う人もいたけれど、そういう方々はバッサリ切りました。
掃除する姿をカッコ良いとは思わんけど、カッコ悪いとも思いませんよ。
少なくともそんな言われ方をする職業ではない。
清掃のお仕事って”底辺職業” 的な感じで悲観されるか、”大変なお仕事やってくれてる”的な感じでドラマ仕立てされたりする振り幅が激しい職業なのかな。
別にこちとら「私スゴイだろ〜」って便器を磨いているわけでもなければ「こんな仕事しか出来ない」と思ってやってるわけでもないんですけど。
普通に楽しく働いているだけなんですけど。
自分の人生なのでね、自分が心地良けりゃそれでいい。
仕事に打ち込むのは現地ガイド時代に思いっきりやらせてもらったので、もういいんです。
人生100年としても私の残りの人生は半分もないから、仕事だけに打ち込むのではなく、のんびり楽しく生活したいもんです。
今の自分の目的は、どんな仕事をするかではなく「普通の生活が出来て時々旅に出られる」なので、それには適していて、職場環境も好きなので続けているんだけどな。
体力のいる仕事だからいつまで続けられるのかはわかりませんが、なるべく長く勤めていきたいです。
いつか定年を迎えて職を離れた後に、きっと病院とか通うようになるだろうから、その帰りにこのホテルに寄り、スタッフだった時はタダでもらっていたコーヒーを買い「ああ、昔、この辺りを雑巾で拭いてたな〜」としみじみ飲む未来もいいかな〜と、ちょこっと、思いました。