海を渡ればー悲願のオセアニア 第8話ー | ちょこっと、つぶやいてよろしいでしょうか。

ちょこっと、つぶやいてよろしいでしょうか。

海外生活28年、現地でのオモロ苦労話や、時々する旅話をつぶやいています。

1月中旬、夏のニュージーランドは最高っ!

 

 

祝 海外生活25周年

 

を勝手に記念しまして、今までの道のりをお送りしております(^O^)/

 

弱くて海外生活は無理だと言われていた私の、

語学力もスキルもない私の、

海外移住物語です。

 

 

初回からはこちら↓をご覧ください。

 

 

2003年4月30日、午後7時。

結局何も掴めなかったオーストラリアを出発し到着したニュージーランド、オークランド空港で私はキョトンとしていました。

 

よく考えたら、この国について何も知らなかったのです。

 

あれはケアンズ。

大手旅行会社エージェントで働くエミさんと話していた時、オーストラリアのワークビザが貰えず落ち込んでいる私に

「ニュージーランド行ってみれば?」と提案してくれたのです。

 

オーストラリアとニュージーランド間をワーホリで行き来をしている人たちはとても多く、エミさんもガイドをしていたとの事。

 

私はニュージーランド経由で日本に帰るチケットを買いました。

 

 

日本に帰る前にもう一度だけ挑戦したかった。

日本以外の国に住みガイドをするという夢。

 

最後にもう一度だけ賭けてみたかった。

 

 

 

オークランド空港の観光案内所は閉まっていましたが、いくつか宿泊施設の写真が並ぶ大きなパネルの右下に受話器が付いています。

予約したバックパッカー「ACB」(現 Base backpackers)に到着した時には夜10時を回っていました。

とりあえず外に出てみるものの街は静まり返り開いているお店もなく、フロントで聞くと近くにスーパーマーケットもないと言います。

 

街の中心部のハズなのに。

 

それでも空港からシャトルバスで向かう道すがら見えてきたビルは、私の心をときめかせるのに充分でした。

 

翌日には料金の安い大部屋に移り、ここを拠点に自分の未来を探す事しました。

 

滞在期間は予算の関係で2週間。

 

エミさんが言っていた「ガイド会社なんていっぱいあるよ」だけが情報で、日本との時差も物価も為替レートも知りません。

ましてや街のどこになにがあるのかなんて一切不明です。

 

勢いで来てしまったけど、どうしよう。

 

どこのお店かは忘れてしまいましたが、在オークランド日本人向けの雑誌や新聞を手に入れ見ると「永住権に有利な資格、指圧」という記事があり、とりあえずガイドの仕事が見つからなかった場合日本でお金を貯めて学生として戻ってくる事も考えなければ、、、と思いながら宿の前でタバコを吸っていたら「日本人?」と話しかけられ向かいのビルに留学センターがある事を教えてくれました。

 

さっそく行ってみます。

 

これが運命の扉でした。

 

留学センターだと思って入ったのはワーホリセンターで、私は階数を間違えていたのです。

ニュージーランドは学生ビザでも就労が許されているので「求職情報」の張り紙を見ても間違った事務所に入っている事にはまったく気が付きません。

 

ちょうどSARSでケアンズでも観光業界は大打撃を受けていました。

こんな時だからガイド募集などしていないかもしれない。

 

ひとつだけ「ガイド募集」の張り紙がありました。(後日談でははがし忘れていたそうです(笑)

 

宿に戻り電話をかけます。

 

「一昨日までケアンズでガイドをしてまして、、、、」と状況を伝えると面接をしてくれると言うのです。

 

「一昨日まで」

 

魔法の言葉(笑)

 

当時、全世界のワーホリは30歳までですが、ニュージーランドは31歳の誕生日前日までに入国すれば31歳でもワーホリビザで過ごす事が出来る唯一の国でした。

 

一昨日までケアンズにいた私は最悪30歳であってもニュージーランドでのワーホリは取れます。

という風を装うため「一昨日」のみで状況を伝えました(^^)v

 

さっそくネットカフェに行き即席の履歴書を作りバックパッカーで道を教えてもらい明日の面接にそなえ会社の下見に行きました。

 

もう決めなければ、ここで決めなければ、

 

私に先はない。

 

 

真っ暗なあやしげな通り、とてもガイド会社のオフィスがあるとは思えないタイヤのマークがついた建物に向かって手を合わせ、”どうか雇ってもらえますように”と祈りながら、いつまでも見つめていました。

 

初めて海を渡ってから8年目、5月の寒い夜でした。

 

 

オークランドのシンボル‘スカイタワー‘

写真ポイントも知らず、とにかく撮った。

 

 

つづく。