≪宮城県多賀城市役所の近くに俳人・高野ムツオ氏の石碑≫
よみうり新聞より、
≪泥かぶるたびに 角組み光る蘆≫という石碑が同市役所の近くに建立されたという。地元のロータリクラブと仙台ロータリークラブの両クラブの会員の尽力と支援より、めだたく高野ムツオ氏の素晴らしい句碑が建立されたという。碑文には≪波越さじ≫と貞観津波(869年)からの伝承で、この地は津波はここを越すことはないと、今回も津波はこの地を越えなかったという。この教訓をこれから千年先も伝えたいと。素晴らしい東日本大震災の被災地にこのような石碑が建立されたことは、今後の津波の予防にも大変役立つと思う。
僕がサインとして貰った句は、このような素晴らしい句だったのか!
と驚嘆。
ムツオ先生は、
宮城県にすみ、地元の仙台白百合女学園など、俳句活動に活発な高校に講師役として句会に参加するほか、俳句甲子園の審査委員も務められている、大変高校生から親しまれている俳人である。
僕は震災について詠もうにも、ありきたりな言葉ばかりが出てくるだけで句が作れず、呆然とした記憶がある。
また、僕の提出句
夜眩しコート引っさげ上京す
だが、
夜眩し コート引っさげ 上京
と、力強いものが3つ並んでしまっているため、どこか力を抜くべきだ、と両講師から指摘していただいた。
ムツオ先生は 「コート引っさげ上京す」から夜眩しの部分をもっとさらっと詠んでみてはどうか、とアドバイスをしていただき、
もう一方の先生からは 「コート引っさげ」を「コート引きずり」にしてみると、力も抜けてくるし、人物像が浮かび上がってくる、との言葉をいただいた。
ただ、昨日の経験をすぐに句に出来た所はいいし、なにより勢いがあって、上京への意気込みが感じられる。と言っていただいた。
印象に残ったのが、
僕のお土産である「平治せんべい」と沖縄の子が持ってきた「黒糖チョコレート」を食べたムツオ先生が詠んだ句。
煎餅ガリリ黒糖ペロリ年惜しむ
最初あまりいい句じゃないと思っていただけに、ムツオ先生が詠んだのだと聞いておどろいたが、lこれは「あいさつ」「あいさつ句」と呼ばれるものだ、と教えていただき、納得。
こういうのをさらっと詠めてこそ、カッコいい俳人か。