砂漠で
力尽きたポエムが
よりしろを探している
だれか
わたしになってくれまいか
わたしのかたちに
なってくれまいか
ポエムという言葉がカッコワライとつけるのには畏れ多すぎる神々しさを帯びる日まで
詩のためのやしろが
詩を祀る場所が
この国にはもっと必要だろう
独自の言語がこんなにもうつくしいのだから
ポエムは
だれとでも仲良くできそうな
なんでも話を聞いてくれそうな
地味で
ちいさくて
ぽっちゃりしてて
はなぺちゃで
まんまるな目をしていたので
起承転結はないのかとか
わかりやすさをもとめられたり
もっとこうしたらとか
それは君らしくないよとか
そんなの詩じゃないとか
なんか言われて
言われまくって
言葉によってむかついていたのでした
ポエムはむかついて
もうちらかしちゃおーって
神の力でおまえらに恥を植えつけた
恥がこころの風切羽をぱちぱちと折っていくので
おまえらはもう
何も語れない
詩の文脈は恥を捨てないおまえを救わない
だからよりしろを求めていた
けどなかなか見つからなくて
かわいた喉で、よりしろを求めていた
恥知らずの無敵の孤独な人
孤独の塊が夜な夜な制服姿のかれらを襲うこともあるけど
孤独にもいろんなタイプのキャラがいますので
もう失うものがないかなしみを背負っている
早く肉体なんかやめてしまいたいと思っている
隙だらけの傷だらけのよりしろを
捕まえては
「やっぱちがった笑」
そうしてポエムはよりしろを求めていた
飢えたちいさくてかわいらしいからだにただ瞳だけが光っていてそこには粘膜なんて何一つ見当たらないかのように
ポエムよ
怒り狂ったあなたがこの民族に恥を与えたというのに
あなたのせいでよりしろはこんなにも少ない
隠れてしまっている
何回も扉をたたく
いや、だって最初にポエムに必要もない意味や効果を求めてきたのは君らでしょ?
丸い瞳が赤色に輝き
ポエムにも血が流れているのだと気づく
ポエム、いいから早く辿り着いて
孤独な心に
先人たちが何をしたかなんて僕らの背負うべき原罪とは関係ないでしょう
りんごを一生食べないからってもうこの頭の知恵は消えないでしょう
ポエム、いいから早く辿り着いて
人がナイフを持つ前に
人が銃を手にする前に
ポエムの無意味がないと
ポエムのてざわりがないと
ポエムの余白がないと
宿主はことばをやめてしまうかも
ことばをやめて
血だけ流して
大陸を流れる大きな川をまたたくさんの血で染めてしまうかも
ポエム
お願いだよ
僕がよりしろになるから
恥ずかしいとかもうやめるから
僕は僕の国の言葉できみのそばにいられることに誇りを持つ
だからもうやめさせて
ポエムの余白を思い出させて
その余白に
きみのふところに
何より大事なのりしろがふくまれてんだろ
そこつなげれば
人はなんかもっとうまくいくだろ
だから
ポエム
早くこちらにきて
ぜんぶあげるから
どんな使い方してもいいから
早く僕をよりしろにして
僕の手を
握って