悪魔の声に耳を傾けよ
悪魔だけの声に
何を言っているのか理解せよ
弱者の声に耳を傾けよ
弱者のふりをしているだけの
声の大きな人に注意せよ
いちばんいびつで、いちばん迷っていて、
声のちいさいものにまず話を聞くのだ
戦場のメリークリスマスを吹く口笛
あれが聞こえてから
どうにもおかしいと思っていた
何回呼んでも答えがないから
あのひとは捕まったんだと思った
埋まらない寂しさを
私のせいにされている
緑地で野生の鳥たちの足音を聞いている
可愛くて眺めてたら逃げられてしまった
遠くから見ることもこわいみたいだ
だってカラスからみた人間なんて、ターミネーターみたいなものらしいから
思考の骨が折れてしまって
レントゲンを撮って全治80年、
小学校の算数から始めてくださいと医者は言った
私は怒ってシャーカステンを殴った
割っちまおうと思ったからだ
だけどそれは割れなかった
もう時代はパソコンなのだった
じょうぶな画面はヒビだけ 響いて
バカにつける薬を処方してくれるのは
あの医者だけだったんだけど
私がリンゴの枝を折ったその先でチョコレートを切ってしまったから
もう出禁だってさ
出禁なんて初めてでワクワクしちゃって
恥ずかしくって引っ越してわたし、もう知らない街に旅立つんです
どうせまた学校で会えるけどね
さよならの手紙は書かない
あんた私のことが嫌いだから
あんたがつけたたくさんの傷でわたし、
光るの
あんたも私がつけた傷を
忘れないで
忘れてもいいから
ずっと光ってて