ていおんやけど | ぴいなつの頭ん中

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殻付き。そにっくなーすが言葉を地獄にかけてやる

ていおんやけど


あかりがまぶしいからうつ伏せで寝るようになってしまった恋人の横でベッドの麓、正座して詩を書く


足首の神経を生かして殺して生かして殺して繰り返しながら体位をすこしずつずらしていく。


足先で虫たちが這い回り捕まえてマッチ箱にひとりずつしまってゆく、

その刹那、

ぷちっと音を立てて何人かをころしてしまう、

体液をもたない足先の虫たちは雪のはなびらになってすわすわと消える、

125匹あつまったらまた正座のしなおし、我慢できなくなるまで、自分の重さで、自分の脚を、思う存分、痛めつけてやる。


緊縛と解放緊縛と解放を繰り返して足先はだんだんと存在がわからなくなってゆき、足先の足先としての自信はフェイドアウトするようにだんだんとうすまる、そのミルクの混ざった黒い脚の指先にはいくつかのみずぶくれ


低い声で啼く足先を優しく抱きしめて自分でキスをする、この日のためにして来たストレッチ、自分の体の中で自分で愛撫できないところなどひとつもないのだ


くちびるにふれた足先があつい


いつの間にか熱傷は3度を超えていて足先にくっついた衣服と低い声、

ていおんやけど。


綺麗に虫たちを舐め取ってやりビリビリに破けた皮膚を虫たちの糸で縫い合わせる、虫たちの文句はわたしたちとは関係がないので

思うさま使ってよろしい

またひとりぶんやぶいて傷口にはりつける

その頃には箱の中身はいっぱいになっていてわたしの役目はおわる、おわる、汚穢に満ちた詩のことばを虫たちに喰らわせて、星の中にわたしの虫たちが吸い込まれないように守り続ける、