二桁の痕 | ぴいなつの頭ん中

ぴいなつの頭ん中

殻付き。そにっくなーすが言葉を地獄にかけてやる

営業と称し飲みに行った白衣とスーツとスーツの背中を見ていた

みっつならんで真ん中の白がスーツになった

オセロは俺の勝ちだ

伝わらない言葉を伝えに行く、スーツの侵攻を見ていた

わたしの意図は白にも黒にも伝わってなくて

グレーの服を着て背中を見ていた


見た目のすべては演出なのよ。

そう言って彼女は一枚の表を見せてくれた。

体重、髪型、メイク、服装、態度

それらすべては綿密に計算されていた

脂肪は30%前後、

これはぽっちゃりしている方が親しみやすいため、

痩せそうになったらあわててミルクセーキをかっ込むのだという

太りそうになったらあわてて部屋の中を走り回るのだという

髪型は真っ黒なロング、少し老けて見せたいから白髪をはやかしておく。

メイクは薄付き、口だけ大きく。

自信を持ってるように見せたいのだという。

すっぴんはたよりないからダメなのだそうだ

服装はいつもグレー

白黒はっきりつけないと気が済まない完璧主義たちへ、グレーの存在を知らしめるためだ

全身グレーであらわれるすがたはねずみのようになりすぎぬよう配色と模様を工夫されている。

態度はやわらかく、あたりさわりなく、しかし芯は強く太く、持っていねばならない。そして芯の部分はなるべく人目のつかぬよう設置し、ここぞという時にだけひらく。


いつでも最高密度の職人でいたいの!

そう言って彼女はひとをすくう職人をしている。

湖に立って、大きなポイを両手で持って、それっとひと思いにすくう。

すくってからが大事なのだという

すくったあと、気に入ってもらえなければひとびとは湖に戻ってしまう。

気に入ってもらえればカウンセリングタイムだ。

昔々の楽しい話を聞かせてくれる。