指、
の先で
そのうずまきの中心部でかるく
ふれるというよりも、
当てるようにその指先を、
薄い羽毛にうずめた。
ちいさな、指の先のいちばんちいさなうずまきと同じくらいちいさな、
拍動が、
しっかりと感じられる
指先で聞こえる
指先に耳ができたみたいに
どくどくとそれは、
わたしのと同じように
ちいさな心臓が脈打っている。
死ぬまでやまない筋肉の、収縮。
あたたかい。
羽毛の中に包まれているから?
ううん、
あたためてるの。
じぶんで、あたたかくなれるの。
この心臓で。
ちいさな心臓で。
声をかけると、見上げてくる両の眼はまっかな輪に囲まれて、くるくるとわたしを映す。
ちいさな声で鳴き、首を器用に傾ぐ。
ほんとうならこんな異種のわたしを愛するなんてかみさまには反するのかもしれない。
みんなに言っていたはずだ、
生めよ、殖えよ、地に満ちよと。
わたしも聞いてなかったわけではない。
わたしたちがいくら愛し合ってもふやしあうことはできない。
それでも、
握ったら潰れてしまうちいさなちいさな恋人に、
わたしは永遠の愛と忠誠を誓うキスをする
鋭利な嘴でひねられた唇の皮膚は蜜柑の果実のようにやわくやぶけ、
恋人の眼の周りのかざりに似たまっかな果汁が噴き出す。